コロナ第3波で「マスク」最新事情 バブルに沸いた新大久保、コロナ前より安い店も…

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コンビニは発注ストップ マスクを取り巻く状況に変化

 もっとも、身近なコンビニエンスストアでも、マスクは入荷するようになりました。コンビニで取り扱われるのは日本品質の商品で、値段は「7枚300円前後」。10種類以上のメーカーの商品を取りそろえているコンビニもありますが、今後は少し状況が変わりそうです。さるコンビニチェーンの関係者は次のように証言します。

「いま店頭にあるマスクは、だいたい2~3カ月前にメーカーに発注をかけていた分です。春以降、各社からの商品を仕入れ続けていましたが、在庫が余るようになってきました。さすがにもう、発注はストップしました」

 こうした状況は、どのコンビニチェーンでも同じだそうです。今後は、コロナ前と同様、各社のPB(プライベートブランド)マスクを含めた3~6種類の品ぞろえが春先に向けて一般的になっていくと思われます。

 市川海老蔵さん一家、渡辺直美さんを起用した「ハイドロ銀チタンマスク」のCMがテレビで流れるようになっているのも、ひところの品薄状態からは考えられなかった事態です。

 さらに、バレエ用品ブランドが開発したという「BLOCHマスク」は、100枚売れるごとに1枚が児童福祉関連施設に寄付されることになっています。内閣府のプロジェクト事業の一環ですが、エシカル(=社会貢献性の高い)マスクまで登場するとは、やはり余裕を感じさせます。

一方、品薄が予想されるのは…

 では、コロナに関連して品薄になりそうなものはもう、ないのか。すぐに買った方が良いと煽るつもりはありませんが、衣類メーカーの担当者はこんな証言をします。

「ネックウォーマーなど防寒着の売り上げが、昨年に比べて30~40%アップしています。今後、本格的に寒くなってくると、さらに売れるのではないでしょうか」

 なぜ今年は防寒用品が売れるのか。コロナ対策で室内や社内の「換気」が重要視されているからではないかと私は考えています。オフィスや自宅、さらに通勤の電車では窓が開放されているため、普通の冬より寒い。手袋に関しては、ウイルス対策で直接つり革につかまりたくない、というのもあるかもしれませんね。

 防寒着が売れるのと同じ理由でしょう、先のコンビニ関係者は「カイロの売り上げも好調です」といいます。さすがにマスクまでとはいかないでしょうが、こうした防寒グッズに高い“屋内需要”が生まれつつあるのが、コロナの冬の特徴といえると思います。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、デイリースポーツ紙にて「最新流通論」を連載中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月6日掲載

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