「LINE」を傘下に持つ「ネイバー」日本進出、過去に「撤退2度」で3度目もあるか?

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ネイバーはサムスン発

 ネイバーはベンチャーブームが起きた1997年、サムスンSDSの社内公募で採用され、翌98年1月、サービスを開始した。

 サムスンは、インターネット市場は自社には小さすぎると考え、99年に分社してネイバーコムを設立した。

 ネイバーコムはサービス開始から5か月で300万人のユーザーを集めたハンゲームと合併したが、ダウム(Daum)、ヤフー、ライコスなどに押されて5位にとどまっていた。

 ネイバーは、先行するダウムやヤフー・コリアが行なっていないサービスを検討した。同社の検索エンジンの性能はお世辞にも良いとはいえず、母国語である韓国語のコンテンツは貧弱で、使い物にならなかった。同社は知恵袋をスタートさせ、ブログとコミュニティのカフェサービスを開始、ネット小説が原作の映画「猟奇的な彼女」の主役となったチョン・ジヒョンを広告塔に起用して、韓国内1位に浮上した。

 ゲームとチョン・ジヒョン人気でかろうじて1位になったが、ブログとコミュニティが成長を後押しした。

 韓国のオフライン流通は閉鎖的で、早くからインターネットショッピング(ECモール)が発達した。

 テナント方式が主流のデパートは、1人または複数の販売員を販売者負担で常駐させなければならず、スーパーは「確実に売れる」商品のみを取り扱う。

 コンビニは本部に高額な上納金が必要な上、店頭に並べる商品の決定権は加盟店側にあり、販売できる保証はない。

 オフライン市場で流通させるためには、資金か販売実績、あるいは両方が不可欠なのだ。

市場を独占

 後発企業は早くからインターネット販売を導入したが、韓国人は企業が発信する情報は嘘や誇張で塗り固められていると考える。自分たちが日頃やっているのだろう。

 商品やサービスの購入者がネイバーのブログやカフェに書き込んだレビューを参照してネイバーショッピングで購入する市場が形成された。フェースブックやインスタグラムが主流となったいまでも、企業がネイバーブロガーにお金を払って、レビューを書いてもらう例は少なくない。

 今年10月6日、韓国公正取引委員会はネイバーに、267億ウォン(約24億円)の課徴金を科した。

 ネイバーショッピングは、ストアに出品されている商品のほか、大手ECモールのオークションやGマーケット、孫正義氏が「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じて出資しているクーパンなど他社サイトの商品も検索可能で、韓国のネット通販検索で70%以上のシェアがある。

 公取委は、市場を独占するネイバーが、提携先企業の商品が検索上位に表示されるようにアルゴリズムを変更し、また競合する商品の表示順位を意図的に下げたと指摘した。

 ネイバー側は利用者の利便性向上させるため、たびたびアルゴリズムを改変しており、他社を排除する目的ではないとして公取委に不服を申し立てる構えである。

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