藤井聡太、最年少200勝も三冠は当面お預け、史上最年少記録の最難関は?

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 将棋の藤井聡太二冠(棋聖、王位)が11月20日に行われた王将戦挑戦者決定リーグで木村一基前王位(47)に勝利し、公式戦通算200勝を達成した。18歳4か月の達成は、羽生善治九段の19歳1か月を抜き、これも史上最年少。とはいえプロ入りから4年1か月での達成は、羽生の最短記録(3年11か月)に及ばなかった。叡王位のように羽生が若き日にはなかったタイトルが新設され、対局数も増えていることから見れば、やはり羽生はすごかった。

 藤井は、7人の強豪が総当たりで戦う王将戦リーグを勝ち抜いて渡辺明三冠(王将、棋王、名人)に挑んでの三つ目のタイトルを目指していた。しかし初戦で羽生、さらに豊島将之二冠(竜王、叡王)、永瀬拓矢王座に敗れて3勝3敗で終えた。挑戦権を失った上、リーグ陥落となり、来期は予選から戦うこととなった。10月26日に永瀬に逆転負けした藤井は「3連敗で下を見る戦いになってしまった。残念ですがリーグ残留を目指して最後まで頑張りたい」と語っていた。

 この夏、あっという間に二冠を達成した若武者藤井がここへきて壁に当たっているようにも見えるが果たしてどうか。

「壁に当たったわけではない」

 2018年3月に同じ王将戦の予選で藤井聡太を破っている兵庫県加古川市の井上慶太九段は「藤井二冠はタイトルを取ってから環境や席次が変わってちょっと戸惑いはあるでしょう。もちろん、あれだけのメンバーですから壁に当たっているというわけではありません。3連敗した後、広瀬、佐藤、木村さんを破っています。これはすごいことですよ」と語る。

 広瀬章人は元竜王、佐藤天彦は元名人、木村一基は藤井がこの夏、タイトルを奪った前王位だ。「なんといっても藤井二冠のプロ入り後の勝率が驚異的です。六局勝って一局負ける程度なのですから」と井上九段。

 現在、藤井の星取は200勝40敗、8割3分3厘だ。さすがにデビュー当時の29連勝というわけにはいかないが、こうした超トップレベルと多く当たり出してなお、この高い勝率である。第一級の棋士の通算勝率を見れば、例えば渡辺が6割6分3厘、豊島が6割6分8厘、永瀬が7割1分9厘。羽生が7割3厘(今年11月26日まで)などだ。まだ下位だった頃の貯金の割合が大きいとはいえ、一線級で8割超えなどいない。

 タイトルに話を戻そう。当面の関心は「史上最年少三冠」だろう。過去の記録はやはり羽生で22歳3か月だから十分達成できそうだ。とはいえ王将挑戦が消えたことで、当面、藤井のタイトル挑戦はお預けだ。三冠に挑戦する前に来年からは棋聖と王位の防衛戦が始まってしまう。

 渡辺は一時期、三冠(棋聖、王将、棋王)になったがこの夏、藤井に敗れて棋聖位を失った。「同時三冠」は「現在最強の棋士」と言われる渡辺でも難しい(その後、渡辺は名人位を奪取し三冠に戻った)。

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