コロナで“宗教”のように恐怖を煽る人たちの正体 「エビデンス」より「気持ち」を重視する日本人(古市憲寿)
「凶悪な少年犯罪が増え、治安は悪化する一方だ」。
約20年前、このような論調が流行していた。確かに当時、神戸連続児童殺傷事件や西鉄バスジャック事件など、世間の耳目を集める少年犯罪が毎年のように起こっていた。結果として、刑事処分の対象年齢が引き下げられるなど、社会は少年犯罪の厳罰化に舵を切ってきた。
しかし統計を見れば3秒でわかるように、少年犯罪、その中でも凶悪犯罪は、長期的に見れば大きく減少している。殺人で検挙された20歳未満の人数は、1960年代までは300~400人程度で推移していたのが、70年代後半には100人前後まで低下、最近では年間40~60人程度である。...