口が裂けても言えないけど……日テレは日本シリーズ「巨人」4連敗にホッと一安心のワケ

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ドラマも大迷惑

 日テレの午後7時は、土曜が「I LOVE みんなのどうぶつ園」で、日曜が「THE!鉄腕!DASH!!」。午後8時台は、土曜が「世界一受けたい授業」で、日曜が「世界の果てまでイッテQ!」というラインナップになっている。

「4番組とも10題から40代、つまりファミリー層を非常に意識しています。コアターゲットだけで視聴率を稼ぐからこそ優良スポンサーが集まり、多額の制作費をかけてもペイできるわけです」(同)

 ところが、この時間帯を日本シリーズに明け渡してしまうと、60代以上の男性視聴者に占拠されてしまう可能性があるわけだ。

「それでも視聴率が2桁になれば、まだ報われます。しかし現実は、第1戦こそ12・3%でしたが、後は全て1桁でした。こんな土日が2週も続くかと思うと、ゾッとした日テレの社員は少なくなかったでしょう」

 おまけに日本シリーズは、試合終了まで放送しなければならない。土曜午後9時の『嵐にしやがれ』と日曜午後9時の『行列のできる法律相談所』は、どんどん放映時間が遅くなっていく。

「放送時間を遅らせる作業も大変ですが、放送時間が遅れるほど、CM料金は下がる契約になっています。第2戦が行われた22日の日曜は、視聴率が好調だった『極道主夫』が午後11時35分のスタートとなってしまい、リアルタイムの視聴率は7%台でした。日テレの関係者は怒り心頭でしたよ」

また遠くなった昭和

 第3、4、5戦は福岡PayPayドームでの開催だったため、福岡の地方局が放映権の争奪戦を繰り広げた。日テレが本気を出せば放映権を獲得できたが、あえて見送ったという。

 80年代、日本テレビにとって巨人戦の中継は、まさにキラーコンテンツだった。それから40年以上が経過すると、日本シリーズでさえ社員から「キラ」われてしまったようだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月30日掲載

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