文在寅「無能で危険な外交」は日本に多大な迷惑 中国ベタ褒め、コロナ拡散も歴史歪曲もスルー

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韓国政府は中国の歴史歪曲に抗議しない

 王毅外相は訪韓中、尖閣諸島に関する発言を記者や康京和長官の前でも行った。

 また王毅外相は康長官との会談で、「韓国側が中韓間の"敏感な問題"を適切に処理してほしい」とも要求している。

「敏感な問題」とは在韓米軍に配備された「高高度防衛ミサイル(THAAD)」と米バイデン政権発足後の米中関係に対する韓国のスタンスのことに他ならない。

 中国の望みは、THAADの半島からの撤去と、韓国が米国側に立つことなく、少なくとも中立的な態度を取れということだ。

 文在寅政府が、王毅外相のこの要求に「韓国政府としては全く受け入れられない」などとコメントすることはなかった。

 文大統領の「無能で危険な外交」が日本にも米国にも迷惑をかけるということを知らないのか。

 王毅外相の訪韓直後の26日、米国務省のケール·ブラウン報道官はツイッターに朝鮮戦争時の1950年11月に起きた「長津湖戦闘」から70年を迎えるに当たって、その写真を載せ、こう書き込んでいる。

「われわれは長津湖で戦った韓国と米国の軍人、国連軍2万6000人を称える」

「中国当局者やメディア、さらに教師らは依然として韓国戦争を“米国の攻撃に抵抗して、韓国を支援した戦争"と言い、70年間、中国指導部は責任を回避している」

 韓国の歴史教科書も、朝鮮戦争は北朝鮮が韓国を共産化するために侵略したものだと記述するが、中国共産党は北朝鮮の侵略を否定している。

 また習近平国家主席も10月23日の「抗米援朝参戦70周年記念式」で朝鮮戦争を「米帝国主義侵略拡張を抑制した戦争」と強調した。

 しかし、韓国政府は中国の歴史歪曲に抗議しない。

 文在寅政権は、反中・親日的性向のバイデン次期大統領といえども、トランプ政権と同様、在韓米軍の撤退はせず、“米中二股外交”を維持できるだろうと期待している。

「朝鮮半島の終戦宣言」の意味を知らない

 もっとも、実際は違う。

 バイデン次期大統領は過去、「韓国は血で結ばれた同盟」と発言している。

 また、中国が朝鮮戦争に参戦して数多くの米軍人が犠牲になったとして、11月11日にフィラデルフィアの朝鮮戦争参戦勇士記念公園を訪問して献花した。

 ところが、文在寅大統領は「北朝鮮との終戦宣言」に言及、11月12日に訪米中の康京和長官を通してバイデン次期大統領側に終戦宣言の協力を依頼したという。

 米国にとって朝鮮半島の終戦宣言は、在韓米軍を撤収させることに他ならない。

 文在寅大統領は左翼的思想に心酔して中国と北朝鮮の側に立つが、半島だけでなく日本や台湾など、周辺国家もまた核兵器で武装した集団と対峙していることを認識しなければならない。

 米軍が撤収すれば生存すら危ぶまれることを知らなければならないし、同盟国の米国が韓国に背を向ける結果を予測できないのだろうか。

 屈辱的な外交を繰り返し、危険な思想を持ちながらそれが正しいと錯覚し、周辺国に迷惑をかける人物が、地政学的に東アジアの最も重要な位置にある韓国の大統領を務めている。嘆かわしい限りである。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月30日掲載

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