文在寅「無能で危険な外交」は日本に多大な迷惑 中国ベタ褒め、コロナ拡散も歴史歪曲もスルー
会談にわざと遅刻する中国の非礼
中国の王毅外相が日韓を歴訪し、尖閣の領有権を主張するなど、言いたいことだけを残して去っていった。これに何ら異議申し立てできず、ベタ褒めを続けるのが文在寅大統領。極東アジアの要衝に、このように無能で危険な外交を展開する人物がいることは、周辺諸国はもちろん世界にとって不幸である。
11月26日、中国の王毅国務委員兼外相は康京和(カン・ギョンファ)韓国外交部長官との会談に遅刻した。
会談は10時からの予定だったが、10時20分に会場に到着、5分後の10時25分に康長官と挨拶を交わした。
会談後、記者団から遅れた理由を聞かれて「トラフィック(交通)」と短く答えた王毅外相は、ホテルを10時5分に出発していたことが明らかになった。
王毅外相の非礼な遅刻はこれがはじめてではない。
昨年12月、ソウルで「韓中友好レセプション」が開かれたときも、出席した長官や国会議員、大手企業幹部など、韓国内の著名人100人余りを40分も待たせた。
もし、茂木敏充外相が韓国外相を25分も待たせたら、韓国は直ちに日本政府に強く抗議し、翌日、各新聞社は「無礼な日本」というタイトルで取り上げたかもしれない。
しかし、康京和長官が中国人の非礼を問う発言など行うことは一切なく、中国を大国と褒め称える文在寅大統領は、同日午後に王毅外相と行った会談で歯の浮くような言葉を並べ立てた。
「我々、韓国政府は、中国とともに韓半島で戦争を終結させた。完全な非核化と恒久的平和に向けた努力を惜しまないだろう」
「これまで、韓半島平和プロセスの過程で中国が見せた建設的な役割と協力に感謝する」
寝言は寝てから、である。
コロナ拡散の責任を問えず
中国共産党は1950年、北朝鮮との同盟を名目に朝鮮戦争に参戦。韓国軍と米国軍に銃口を向けて、朝鮮半島の南北分断に決定的な影響を及ぼした。
その中国が朝鮮戦争を終結させて、平和のための努力をしているという文大統領の発言は、韓国軍や米軍の犠牲者に対する冒涜だといっても過言ではない。
さらに文大統領は、中国が新型コロナウイルスを韓国はもとより全世界に拡散させたことへの謝罪を要求することもなく、「コロナウイルスという困難な状況にもかかわらず、両国間の交流が続いていることは非常に嬉しく、韓中友好協力関係が堅固だと示している」と述べた。
会談直後、保守野党・国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)国会議員は「文在寅大統領の侮辱的な低姿勢外交で韓国国民と、さらに次の世代が享受する韓国の未来は根こそぎ揺さぶられる」と批判。
大統領の言動は外交とは全くいえず、属国の首長が宗主国の部下に追従するのと変わらないと文大統領を非難する声が上がっている。
王毅外相が日本と韓国を訪問し、菅義偉首相と文在寅大統領と会談した本音は、こんなところだろう。
反中・親日性向で知られるジョー・バイデン米国政府の発足を前に、日本と韓国に顔を出して、東アジアにおける中国の存在感を誇示する――。
王毅外相は、訪日中の24日、首相官邸で面談を終えた後、記者たちに尖閣諸島付近の海域に日本の船舶が入ることができないようにしなければならないと主張。
日本までわざわざやってきて、尖閣の領有権を主張するとは随分とナメた態度である。
一方、加藤勝信官房長官は11月26日、定例記者会見で王毅外相の主張を「日本政府は全く受け入れられない」「尖閣諸島は、歴史的にも、国際法的にも疑いの余地がない日本の固有領土」と話した。当然のことだろう。
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