「文大統領」支持率半減! 庶民の味方のふりをしつつ、マイホームの夢を砕く大失策

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文在寅の同僚たちは「不動産富豪」に

 国民の住居売買を困難にした一方、安価な賃貸住宅に住みなさいという文在寅政府だが、その同僚はどこに住んでいるのだろうか。

 今年7月1日、ある市民団体が、青瓦台(大統領府)のキャリア公務員の中で高額な不動産を所有する上位10人の不動産価格は、平均27億4000万ウォン(約2億5553万円)で、2017年と比べて79%も増加したと暴露したが、青瓦台は一切、反論しなかった。

“文在寅大統領の影”ともいわれる青瓦台大統領秘書室の蘆英敏(ノ・ヨンミン)室長は、「6・17不動産対策」で不動産価格が高騰した7月、自身が所有していたマンションを11億3000万ウォン(約1億538万円)で売却し、およそ8億5000万ウォン(約7927万円)の差益を得たことが明らかになった。

「マンションに住む幻想は捨てろ」と国民に訓戒する政府・与党だが、最近の調査で、与党「共に民主党」の国会議員174人中156人が、本人または配偶者がマンションを所有して居住するなど、10人に9人がマンションに居住していることが明らかになった。

 次期民主党大統領選挙の有力候補である李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表は、11月17日の不動産討論会で、ホテルルームを国家賃貸住宅に改造する不動産対策に言及、集中砲火を浴びた。

 自分名義のマンションを持ちたいという庶民の夢を踏みにじり、国が提供する賃貸住宅や改造したホテルルームで暮らせという李洛淵代表自身は、ソウル市鍾路区(チョンノグ)の17億ウォン相当の高級マンションに住んでいる。

日本のように韓国もすぐ住宅価格が暴落する

 国民の不動産を統制する政府は、不動産投資を制限し、売買価値を落とし、国が提供する安価な賃貸住宅に住むように誘導している。

 一方、権力者は不動産投資で大金を稼ぎ、高級マンションに居住しながら、庶民が賃貸住宅の中で密着して暮らす様を窓から見下ろして笑っている。

 文在寅大統領の不動産政策について、多くの専門家が"北朝鮮に似ている"と話すゆえんだ。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で文在寅は秘書室長として仕えたが、そこで共に勤務した趙己淑(チョ・ギスク)氏は、今年6月、こう暴露した。

「文大統領は“日本のように韓国もすぐ住宅価格が暴落するだろうから、住宅を買わずに待ちなさい”と語っていた」

 これが事実なら文大統領は日本の事例を通して住宅価格を下げることができると考えていたのかも知れない。そして青瓦台は、趙氏の発言を否定していない。

 韓国では、不動産価格を安定させることができないだけでなく、国民の日常生活にも多大な悪影響を及ぼしている。

 そして、韓国に進出しようとする日本企業や留学生などにとってもまた、それは同じことだ。

 不動産政策の失敗が支持率を半分に下げたものの、文大統領は「国内不動産は安定している」という妄言を撤回する様子はない。

 文在寅政府が心に刻んでおかなければならないことがある。

 国民を欺き、経済を悪化させ、「パンがなければ菓子を食べれば良い」という妄言を発したマリー・アントワネットは民衆の手で処刑されたという事実である。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月29日掲載

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