渡辺直美、壮絶な生い立ちから「吉本の宝」へ ノブコブ徳井が明かす天才の素顔
相方・吉村と恋の噂に
何年か前、相方の吉村と直美が噂になったことがあった。直美のマンションに出入りしている吉村の姿が写真週刊誌に撮られたのだ。
正直、これほど心の底からどうでもいいというニュースもない。二人をよく知る僕からしたら付き合っているわけないだろうと思ったし、たとえそこに肉体関係があったとしても、僕にとってはやはりどうでもいいことだった。
その噂より前、吉村と直美が二人きりになった際、一度関係をもってみるかとチャレンジしてみたというトークも何度か舞台上で聞いたことがある。これも生々しいけれど強烈に面白いので、詳しく聞いてみたい方は是非劇場へお越しください。
そう、直美や吉村に限らず、皆さんがテレビを通じて見る以上に、芸人さんというのは何百倍も面白い人たちばかりなのだ。
渡辺直美が楽屋で泣いた日
ピース、平成ノブシコブシ、渡辺直美の『咆号』メンバーに、ハライチ、モンスターエンジンという人気と実力を兼ね備えたメンバーが加わり、フジテレビで『ピカルの定理』というコント番組を始めることになった。
今このメンバーを見ても、我ながらワクワクする。なかでも渡辺直美は『ピカル』の主人公だった。半分以上が彼女中心のコントだった。なぜなら直美が出るとどうしても全てを喰ってしまうから。やはり華とお笑いの圧がすごいのだろうな、と思う。
そんな女王・渡辺直美が、ある日『ピカル』の収録スタジオの休憩所にいた。ずらりと並ぶお菓子や食事、ケータリングという蜜の畑の前で立ち尽くしている渡辺直美の後ろ姿。面白がって近づくと、なんと彼女は泣いていた。
確かにその直前に撮ったコントでは想定よりも笑いが起きず、直美自身手応えを感じていない雰囲気はあった。だからといってこんな人前で泣くほどかと驚いたが、泣いている直美の横で僕は食べたくもないアルフォートと味ごのみを指で摘んだ。そして一言も声を掛けず、ポンと頭を叩いただけでその場を去った。
後にそれがとてもキュンとした、と直美が言っていたのでそれもトークライブで話した。僕が暴露したことに「デリカシーがない!」とライブ中に直美は怒っていた。そしてそれもまた笑いになった。
芸人の世界はいい。嘘がなくて、でも嘘だらけで。
[3/4ページ]