レーサー「星野一義」が日本一速くなれた理由 「誰よりも臆病なんだ」(小林信也)
〈日本一速い男〉と呼ばれ、1970年代から20年以上も日本のモータースポーツを牽引した星野一義。
その星野が最初にオートバイを買ってもらったのは14歳、中学生の時だった。
「乗りたくて乗りたくて、4日間、学校に行かなかった。買ってもらうまでは行かないと言ってさ」
根負けした父が買ってくれたのがホンダベンリィC92。59年発売の排気量125ccのオートバイだ。価格は13万5千円。
生まれ育ったのは静岡県安倍郡玉川村。星野は自宅近くの安倍川の川原を毎日夢中で走り続けた。...