映画『ばるぼら』 稲垣吾郎の「なんちゃってインテリ」という魅力

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11月20日公開『ばるぼら』★★☆☆☆(星2つ)

――愛の中にはつねに幾分かの狂気がある。しかし、狂気の中にはつねにまた、幾分かの理性がある(ニーチェ)

「漫画の神様」手塚治虫の異色作を実子・手塚眞が監督になり映画化した『ばるぼら』は、こんな字幕で始まる。なんだか、いきなり高尚である。

 疲れた顔をした人たちが群衆として新宿の街を行き交っている。汗と埃、人いきれ。林立する高層ビル、高架下の薄暗いトンネル――その壁に背をもたれて、ひとりの少女が座っている。二階堂ふみ(26)演じるばるぼらだ。...

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