韓国文化がいつまでも「韓流ブーム」と言われる理由 日韓関係が不安定で定着しない?(KAZUYA)

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 期待はしていないけど、ある意味毎年楽しみなのが「ユーキャン新語・流行語大賞」です。

 同賞の公式サイトを見ると「軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶ」としている割に、審査員の個人的趣味と思われる用語がねじ込まれるのが常で、賛否両論を巻き起こします。この賞は実際に流行したものというより、いい機会だからさり気なくねじ込んで、報道してもらって流行らせたいワードの選手権という感じです。今年も11月5日にノミネート語30が発表され、若干の話題になっています。

 今年はなんといっても「新型コロナウイルス」の影響が日本だけでなく世界に影を落としました。そう考えるとこの賞の大本命だと思いますが、何故かノミネートされていません。プロ野球で例えるなら、シーズン15勝、投球回200以上を達成しているのに、沢村賞の声がかからないようなものです。

 コロナ関連だといくつかノミネートされています。「おうち時間/ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」「自粛警察」「3密」などがそれですが、何故本命の「新型コロナウイルス」を外したのか理解に苦しみます。そして流行語という点で言えば、小池都知事の「密です」の方が使いやすいのに入っていない点も不思議でなりません。

 一方で唐突に「総合的、俯瞰的」がノミネートされています。菅総理の発言からなのでしょうが、2018年に「ご飯論法」がノミネートされたように一体何処で流行しているのかわかりません。相変わらずのセンスで、審査に偏りが見えます。

 今年ノミネートされた中に「愛の不時着/第4次韓流ブーム」があります。ネットフリックスを見ると、韓国ドラマ「愛の不時着」は常にランキングに入っていました。韓国の財閥令嬢がパラグライダー中の事故で北朝鮮に不時着し、北朝鮮のエリート将校と恋に落ちるというストーリーですが、僕自身初めて韓国ドラマを完走した作品になります。ファンタジー作品として見るとなかなか面白いものでした。

 今は「第4次韓流ブーム」と言われているようですが、1~3があったのかと驚く人もいるでしょう。第4次まで来るブームなんてそうありません。しかしこれは捉え方の問題です。「第4次まであるなんてすごい!」と考える人もいるでしょう。個人的には「第4次まで来ているのに定着していないんだな」と考えてしまいます。

 例えば米国の映画や音楽が流行っても「第○次米国ブーム」などと言わないでしょう。これはすでに日本で定着しているからです。一方韓国文化はドラマやK-POPの勢いはあれど、定着にまでは至っていません。

 要因の一つとして日韓関係の不安定さがあるのではないかと思います。日本人としてもゴールポストを動かしまくる韓国に対する警戒感が強いため定着はせず、一過性かつ一部の層にしか響かないのでしょう。新語・流行語大賞で盛り上げようとしても、また収束し、そのうち第5次とメディアが焚きつけるだろうと予言しておきます。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。2012年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者74万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2020年11月19日号掲載

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