栗山監督続投で不満続出 「斎藤」「清宮」“情実起用”で批判されるもう一人の幹部

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 2年連続でパ・リーグ5位に沈んだ北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督(59)の続投が、11月17日、正式に決定した。都内の日本ハム東京支社で、畑佳秀オーナーにシーズン報告に訪れた席上で、1年の契約延長を打診されて受諾したとのとだが……。

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 来季が就任10年目の長期政権となり、連続では自身の持つ球団最長を更新する栗山監督は笑顔で畑オーナー、川村浩二球団社長と写真に納まった。

「自分もチームにも足りないものが正直ある。それは、はっきりと口にする。情は全て捨てて向かっていく」

 こう意気込んだ指揮官だが、チーム内外から白けた目で見られている。大谷翔平投手(26・現エンゼルス)を擁して日本一に輝いた2016年以降、5位、3位、5位、5位と成績は低迷。就任当初は限られた戦力で巨大戦力の福岡ソフトバンクホークスや、圧倒的な攻撃力を誇る埼玉西武ライオンズと伍してきた手腕が称賛を集めたが、近年は采配の硬直化や選手起用に表れる贔屓、それに伴うマンネリが指摘されてきた。

 最たる例が今季プロ10年目にして初の1軍登板なしに終わった斎藤佑樹投手(32)だろう。10年間で通算15勝26敗、防御率4・34。3年間未勝利の32歳は、右肘に故障を抱えているが、このオフもクビを免れるどころか来季は治療に大半を割き、再来年に再起を懸ける見込みだという。日本ハムOBは明かす。

「もちろん、チームメートからも『なんで佑ちゃんがクビにならずに他の選手が切られるんだ』って不満が出ています。そもそも、投げているボールが130キロ台前半しか出ない。スピードがないならコントロールが必要なのに、それほど良くもない。プロでいられるのが不思議でしょう。選手はみんな思ってますよ」

実はチームの方針を決めているのは“絶対的権力者”の吉村浩GM

 栗山監督が昨年末に、「来年は3割、30本、間違いなく打ちます。打てなければ大批判してもらっていい」と大風呂敷を広げた17年ドラフト1位の清宮幸太郎内野手(21)も、今季は打率・190、7本塁打の体たらくで守備でも7失策と足を引っ張った。打てなくても守れなくても2軍降格はなく、チームには白けたムードが漂った。

 斎藤が生き残り、清宮にチャンスが与え続けられたのは、栗山監督による贔屓が要因と思われがちだが、実はチーム方針を決めているのは取締役球団統括本部長も兼ねる吉村浩ゼネラルマネジャー(GM・56)だ。吉村GMは2015年の就任前から、監督やコーチの人事、選手のトレードを断行。絶対的権力者として隠然たる影響力を行使してきた。

 吉村GMは、2013年には当時の絶対的なレギュラーだった糸井嘉男外野手(39)を放出するなど、計5選手が動く超大型トレードを仕掛け、球界を仰天させた。前年のドラフトで大谷を獲得できたことで、当時は投手とともに右翼のポジションでも見込んでいた大谷に定位置を与えるため糸井を弾き出した形だが、結果は大失敗。大谷の外野手起用は同年中に断念し、投手と指名打者の二刀流に絞らざるを得ず、前年のリーグ優勝から一転、チームは最下位に沈んでいる。

 若手育成にもGMの定めた方針が絶対的な指針として打ち出され、コーチら指導陣が逆らうことは許されない。栗山監督に必要なのは“情を捨てる”以前に、GMの“呪縛”を断ち切り、本来課せられた監督としての指導力を発揮することなのである。

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