自動翻訳の向上で生まれた「新しい方言」とは 機械に話しかけるための日本語(古市憲寿)

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 何号か前の「週刊新潮」で、五木寛之さんが「地方の言葉は、やがて絶滅するのではあるまいか」と書いていた。列島各地から方言が消え、地方に住む人々も訛りのない標準語を話す。その意味で、確かに「古い方言」は消滅の途上にあるのかもしれない。井上ひさしさんが書いた『國語元年』のような騒動は、もう起こりようがないだろう。

 しかし「新しい方言」はますます盛んになっていくのではないかとも思った。まずは何といっても、日本語訛りの英語の興隆である。

 この国の人は、戦後ずっと英語コンプレックスに悩まされてきた。...

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