山梨県知事が河野太郎行革相に激怒した理由 苦境のハンコ業界への「不謹慎ツイート」で炎上

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 ファックス、こより、押印と、次々に“無駄”を見つけては廃止せんと勇ましい河野太郎行革相(57)。改革の姿勢をSNSでアピールすることに前のめりになった挙げ句、現実社会から痛恨のしっぺ返しを食らった。

 先月29日、河野氏が平井卓也IT担当相(62)から贈られた「押印廃止」の印影をツイッターにアップ。ふざけすぎとの批判を浴びて投稿を削除したものの、今月6日には日本有数のはんこ生産地・山梨県の長崎幸太郎知事(52)が、自民党本部に乗り込む事態となったのだ。

「長崎氏といえば、もともとは二階派の衆院議員。知事選でも二階俊博幹事長(81)が強力にバックアップした秘蔵っ子です。その長崎氏が二階氏に直訴したのですから、怒り心頭だったのでしょう」(政治部記者)

 当の長崎氏に話を聞いてみると、

「今回の河野さんのツイートは、戦場で討ち死にした敵将の首を弄(もてあそ)んでいるようで、非常に不愉快です」

 と、怒りが収まらないご様子。

「大前提として、我々はデジタル化に反対しているわけではありません。改革による業界へのシワ寄せも受け入れて、その上で、印影のデジタル化や、はんこを使用するアジアの国々への輸出など、生きる道を模索している。ただ、河野さんからは、そんな改革で血を流している者への惻隠の情が感じられません」(同)

 問題は、行政手続上の押印廃止自体ではなく、そのやり方だというわけだ。

「政治家ならば、切り捨て御免の弱い者いじめでなく、新たな道を見つける手助けをしてもらいたい。なのに、面会も謝絶し、極めつきがあのツイートです。ウケ狙いだけならば、裸で店の冷蔵庫の中に入るバカッターと変わらないでしょう」(同)

 これには、先の記者も首肯して、

「河野氏は、面会しないワケを“優先順位に従って”なんて説明していますが、まるではんこ業界なんて取るに足りないと言わんばかりの物言いです。外相時代も、気に入らない記者の質問を全て“次の質問どうぞ”で受け流すなど傲慢なところがありましたが、それでは納得は得られません」

 212万人という政界きってのフォロワー数を誇る河野氏。“ネット世論”を過信して足をすくわれないよう。

週刊新潮 2020年11月19日号掲載

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