「大韓航空とアシアナ合併」「日本路線を再開」でも 従業員の「無給休職」は続く
韓国の航空会社は従業員の無給休職を続けている
一方、大韓航空は貨物専用機を23機保有し、8月に旅客機2機を貨物機に改造した。
またアシアナ航空も12機の貨物専用機を保有し、9月から2機の旅客機を貨物輸送に投入した。
貨物専用機を保有する大韓航空とアシアナ航空が特需を享受しており、韓国のネットには「韓国企業は一流だ」「韓国の勝利」など称賛の声が寄せられるが、「(黒字は)サムスン電子とハイニックスのおかげ」「寡占状態にある路線で運賃を引き上げている」「職員に無給休暇を命じたから」など否定的な声も上がっている。
10月26日時点の北米—アジア路線の航空貨物運賃は1キロ当たり6.21ドルで前年同期と比べて80%高かった。
また、韓国の航空会社は従業員の無給休職を続けている。
今年4月、無給休職中だった航空会社のパイロットの遺体が自宅の浴室で発見されたが、捜査の結果、投資の損失や昇進など難しい問題を抱えていたことが判明した。
さらに11月7日には客室乗務員が遺体で見つかった。27歳だった。
航空会社に就職した後、1億5000ウォンの融資を受けてワンルームを借りたが、20年初旬から休職が続いて融資の返済に困難をきたしていたという。
本人の部屋から遺書が見つかり、警察は無給休職のストレスから自殺をしたとみている。
(注:韓国の住宅賃貸契約には、入居時に高額の保証金を支払うかわりに月々の家賃支払いがなく、退去時には家主からその保証金が返済されるという方式があり、銀行などから融資を受けて保証金を支払う例も少なくない)
アシアナ航空を大韓航空と合併させる“独禁法違反”
大韓航空は20年4月から実施している国内職員の休職を2か月間延長することを決め、無給休職と有給休職を並行して実施していたアシアナ航空は、多くの職員が無給休職に入った。
韓国建設大手のHDC現代産業開発によるアシアナ航空の買収が事実上、白紙になっている。買収白紙と無給休暇がどれくらいあるかは不明だが。
アシアナ航空の債権団は買収価格の調整など、買収企業の負担を軽減する提案を行ったとみられるが、現代産業開発は、新型コロナウイルスの影響で買収契約を結んだ当時と状況が大きく変わったことで難色を示し、政府系の産業銀行はアシアナ航空を大韓航空と合併させるという“独占禁止法違反”を検討する。
韓国航空各社は爆買いの訪韓中国人が増え、日韓往来が1000万人に迫ると、目先の利益を求めて拡大を図ったが、THAAD(アメリカ陸軍が開発した弾道弾迎撃ミサイル・システム)配置を契機にはじまった中国のNO KOREAと昨年韓国で広がったNO JAPANで、アシアナ航空は破綻寸前に追い込まれ、イースター航空は破綻した。
NO JAPANで瀕死の状態に追い込まれて従業員の給与を払う資力を失った航空会社。
機材のリース料などを払っているかは定かでなく、コロナ収束まで生き残ったとして、果たして事業を再開できるのだろうか。
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