「大韓航空とアシアナ合併」「日本路線を再開」でも 従業員の「無給休職」は続く
中国路線を増強したのは苦肉の策
今年3月から制限されていた日本と韓国の往来が一部緩和され、韓国の航空会社は相次いで日韓路線を再開すると発表した。大韓航空は仁川-成田線に加えて関空線を運航。アシアナ航空は11月20日に仁川-名古屋便を、また23日には仁川—福岡便を再開する。とはいえ、大韓航空とアシアナ航空の合併が本決まりになる中で、従業員の「無給休職」というディストピアは続くようだ。
格安航空会社(LCC)の済州航空は仁川—成田線と関西空港線を再開し、ティーウェイ航空も仁川—成田路線の運航を8か月ぶりに再開すると発表した。
各国の航空会社が大幅な赤字に苦しむなか、大韓航空とアシアナ航空は黒字を見込むが、前途多難な状況に変わりはない。
日本と韓国の両政府は、10月8日以降、ビジネス出張の際に一定の防疫手続きを経ると行動制限が一部緩和される「ビジネストラック」の運用を開始した。
日本政府はさらに、「韓国など9つの国と地域」の感染症危険情報を渡航中止勧告の「レベル3」から不要不急の渡航自制を要請する「レベル2」に引き下げた。
日本は今年3月9日以降、韓国や中国からの入国を成田空港と関西空港に限定してきたが、11月1日から名古屋・中部空港への入国を認め、17日以後は福岡空港も再開する。
大韓航空とアシアナ航空が名古屋路線と福岡路線の再開を決めたほか、LCCのジンエアーも12月から福岡線を再開する予定で、予約受付を開始した。
日韓路線の運航再開を計画する韓国航空会社は、中国路線の再開も進めている。
10月20日、アシアナ航空系列のエアソウルが仁川-青島路線の運航を再開し、翌21日には済州航空が仁川-ハルビン線を再開、25日にはエアプサンが釜山-青島と仁川-深セン路線を再開した。
路線の再開が増えているとはいえ、コロナ禍の直前に84路線だった中韓線は10月20日時点で17路線にとどまり、満席で予約ができない状態が続いている。
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