高級カーシェア会社破綻でオーナーの怒り爆発 “吊るし上げ”緊急説明会を実況中継

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「こうしているうちに、月々のローン代や駐車場代も発生しているの!」

 やがて、弁護士の説明が始まった。

「私たちがSグループから相談を受けたのは10月25日です。Sグループは、8月にみなさんへの支払いを停止した後、複数の弁護士事務所に破産の相談をしたらしいですが、どこからも難しいと断られ、最後に私たちのところに来ました。裁判所とはもう相談を始め、来週には破産の申し立てを開始し、早々に開始決定を受ける見込みです。決定後は、管財人が誰になったのか、どこに問い合わせすべきかなど、ホームページに随時、情報を開示していきます」

 鍵と車検証を預かった理由については、

「裁判所のルールとして、破産の申し立てをすると、破産開始決定まで、破産管財人が管理する財産を、申し立て代理人が保全しなくてはいけないというルールになっています。私たち申立人が、車輌をお預かりしている立場を法的に整理させていただいたところ、Sグループがその立場にあることがわかりました。混乱を回避するために、車輌の返還等を一時停止させていただきます」

近く代表が謝罪する場を設ける予定

 むろん、オーナーらはまったく納得しない。

「破産手続きに入るからって、それは俺たちと関係ないだろう」
「そもそも車の所有権の問題は、俺たちと信販会社の話で、あんたたちに何の権利があるんだ」
「こうしているうちに月々のローン代も発生しているし、ここの駐車場代も負担しなくちゃならなくなる。なんであなたたちの破産手続きに付き合わなければならないのですか」

 やがて、

「Sグループが突然いなくなって、こんな事態になったんだ。また、あなた方が鍵を持って、いなくなる可能性だってあるでしょう」

 との声に対しては、「そうだ、そうだ」の大合唱。

「それは私たちが担保します」と請け負う弁護士に対し、

「だったら身分証を見せろ」と詰め寄り、こぞって写真を撮影する一幕もあった。

 Sグループの代表取締役社長のU氏については、

「近々、被害者の方々に説明させていただく場を設けさせていただく予定です」(弁護士)

 終始、ものすごい剣幕で詰め寄るオーナーたちであったが、甘い話に乗ってしまったツケとも言えるだろう。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月14日掲載

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