後戻りできない「徴用工」 「日本が先に謝罪、そして金銭賠償」を要求する韓国政府

国際 韓国・北朝鮮

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日本企業資産の売却が実現し、再び日本政府による制裁措置が行われた時には

 日韓両国の徴用工賠償問題への対策は「誰が先に賠償するか」に関心が集まっている。

 日本政府は徴用工賠償に関する大法院の判決を認めていないため、「先に賠償する理由はない」と拒絶。

 逆に韓国政府や企業が徴用工に賠償する場合、日本政府と企業がその金額分を補填すると伝えたが、韓国政府はこれを断ったという。

 一方、韓国外交部の関係者は、「被害者中心主義に反する」という常識はずれの見解を示した。

 12日から訪日した韓日議員連盟の会長であり、民主党所属の金振杓(キム・ジンピョ)議員は、日韓両国の政府や企業、国民が共に募金し、徴用工への賠償金として使用する法案を発議している。

 要するに、現在の韓国政府と与党は、徴用工賠償問題において日本が理解を示すのであれば、韓国側も参加するという内容であった。

 朴院長が二階幹事長をはじめ、多くの日本の政治家と良好な関係を築いていたとしても、「日本が先に賠償すべし」という一方的なスタンスを変える可能性は低い。

 実際、朴院長は韓国で有名な親北朝鮮・左翼の政治家として知られており、安倍政権に批判的であっただけに、安倍路線を継承する菅内閣の基調とは全く折り合えない。

 日本の政界に太いパイプを有している朴智元院長ですら、この度の訪日で示した提案を日本政府が受け入れない状況では、関係改善への道は遠い。

 最悪の不景気と不動産政策の失敗で国民の怒りが爆発し、40%前後に失墜した支持率に悩む文在寅大統領が、日韓関係改善のための懸命な対策を立てられるだろうか。

 徴用工賠償への大法院の判決について、「三権分立の国家で政府が司法部の判断を尊重するしかない」という傍観者のような言葉を繰り返す文大統領。

 収拾が難しい段階まで来た現在の状況で、日本企業資産の売却が実現し、再び日本政府による制裁措置が行われた瞬間、彼には国民に日本製品不買運動を訴えること以外に特別な解決策はあるのか。

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月14日掲載

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