韓国が自国を棚に上げて「福島原発」を目の敵にする理由
日本以外から輸入した食品や国産食品の検査が行われることはない
原発事故から時間が経つにつれて、日本産食品の輸入規制を緩和する国が増えるなか、韓国だけ対応は違っていた。
19年7月、日本政府が韓国向け輸出管理を強化すると、韓国政府は過去に放射能が検出された品目の検査を2倍に増やすなど検査を強化し、ソウル市も翌8月から1か月かけて日本産農水産物や日本産の原料が含まれる加工食品の放射能検査を実施した。
食品に含まれる放射性物質は世界主要国のなかで日本が最も厳しく、大手スーパーなどは、日本政府よりはるかに厳しい基準を設けている。
そもそも韓国政府は輸入時に全品検査を実施している。
その検査に不備があるか、あるいは、非正規の輸入品でない限り、厳しい基準をクリアした日本製品から放射性物質が検出される可能性はない。
実際、セシウムやヨウ素などは一切検出されなかった。
日本の食品に放射能検査を義務付ける一方、日本以外から輸入した食品や国産食品の検査が行われることはない。
韓国大手商社が2014年、ソウルでスイーツの国際イベントを主催して、欧州などから食材を輸入したことがあった。
欧州産食材は、一部は直送、一部は日本の港を経由したが、日本を経由した食材だけが放射能検査の対象となった。
日本の港を経由した食材から韓国の基準を超える放射性物質が検出され、輸入は不許可となったが、欧州から直送した食材の検査が行われることはなく、イベントの参加者に供された。
スイーツ材料に含まれる放射性物質の基準は、日本と韓国は1キログラムあたり100ベクレルで、EUは1250ベクレルである。韓国は370ベクレルだったが、福島原発の事故後に、日本を模倣して引き下げた。
産業通商資源部の職員が証拠を隠滅していた
福島原発に目くじらを立てる韓国だが自国の原発には問題が少なくない。
19年7月、全羅南道霊光のハンビッ原発4号機の防護壁から157センチの隙間が見つかった。コンクリート壁の厚さは167.6センチで、10センチを残して空洞になっていた。
韓国水力原子力(韓水原)は2016~19年に国内の原発を調査し、8基の原発から295か所の隙間を発見、10基の原発で777か所の鉄板腐食を発見。
隙間の約94%に当たる278か所と鉄板腐食の約60%に当たる467か所がハンビッ原発から見つかった。韓水原は建設時のコンクリート打設が不十分だったと分析している。
10月には、韓国監査院が月城原子力発電所1号機の早期閉鎖に関する監査を実施した際、産業通商資源部の職員が証拠を隠滅していたことが明らかになった。
月城原子力発電所1号機は、韓国2番目の原子力発電所として、1982年に稼働を開始した。
設計寿命の30年が経過した12年に停止した後、7000億ウォン(約660億円)を投入して老朽化した部品を交換するなど安全性を強化し、15年6月から再開したが、文在寅大統領が脱原発を宣言し、早期閉鎖が決定した。
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