「鬼滅の刃」韓国公開が「日本不買」を強制終了させる理由と「ワンピース」パクり事件の顛末

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“反日国”で繰り返されてきたパクり

 日本で大ヒットを飛ばしたアニメ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の韓国公開を12月に控え、韓国のマニアたちは期待に胸を膨らませている。そして、映画の公開が近づき、昨年8月から始まった“日本製品不買運動”が終焉に向かっている機運もあるという。

 不買運動真っ只中の昨年10月に公開される予定だった「天気の子」は、反日・不買運動の影響で約1か月、公開が延期され、韓国でも高い人気を誇るアニメ映画「名探偵コナン 紺青の拳」は公開と同時に、映画の口コミサイトに反日を示唆する悪質なコメントが並んだ。

 一方、文在寅政権が推し進める“日本製品不買運動”に疑問を抱き、運動にうんざりした国民が増えるにつれ、文大統領の支持率も比例して下降しはじめた。

 その流れの中で公開される「鬼滅の刃」は、不買運動を強制終了させる最終兵器になるかもしれないことを、韓国の大統領府はどれくらい認識しているだろうか。

 日本でもときおり報道されるが、韓国では日本のアニメや漫画が話題になる都度、“パクり”アニメや漫画が登場する。

 そして、“パクり”が原作のファンやマニアの間で問題になり、ユーザー側と制作者側の論争に発展する。

 その中でも“ワピース事件”は特に大きな論争を巻き起こした。

 ワンピースではなく、ワピースである。

「ワピース」は2003年に韓国の制作会社ケグジャンイ社が世に出した。

 大人気の日本アニメ「ワンピース」をパクったネット配信アニメだった。

 すべての大陸がまだひとつだった時代、海の向こう側にある宝物“ワ”を探しに若者たちが旅に出るという内容だ。

「鬼滅の刃」をパクって販売停止に追い込まれた「鬼殺の剣」と同様、タイトルや内容が酷似しているだけでなく、キャラクターの容姿や名前も似すぎており、ワンピースのファンやマニアからはツッコミが殺到した。

制作側の“オリジナル”軽視、世論に逆行する判決に

 当時ネット上では、「著作権の概念はおろか、こんないい加減なものを作品と呼べるのか」「こんなものを制作するのに3年もかかったなんて…世も末だ」などの批判の声が相次いだ。

“アニメヲタク”を騒がせただけでなく、韓国語版「ワンピース」を出版している大元C.I.社が、ケグジャンイ社の“ワピース”を盗作だとして損害賠償を請求する訴訟に発展した。

 当時渦中にあった「ワピース」の制作会社ケグジャンイ社の社長で総管理者の立場にあったチ・ソンウォン氏は取材に応じたものの、その開き直り具合はさすがの韓国国民でも看過しがたいものだった。

Q:ワンピースの盗作という言葉についてどう思いますか?

A:それは語感が似ているからで、原作は“彫刻”という意味のピースじゃないですか? 私たちは平和という意味でのピースです。盗作だの何だのとうるさいですが、動物のキャラクターを見てください。顔を描くときだって10%ほど違えば、別の著作物だとみなされるのですから。

Q:制作期間はどのくらいかかりましたか?

A:これを開発するだけで3年もかかったのに、このように罵倒されるのは悔しいです。

Q:正直シャンシャンは、シャンクスをオマージュしたのではないですか?

A:それは発音が似ているからそのように感じられるだけでしょう。ワンピースが好きな方はみんなそう見えると思います。しかしそんなことはないです。考えてみてください。シャンクスは腕が一つ無くなったじゃないですか。私たちシャンシャンは二つとも切られたんですよ。これのどこが盗作なのですか。

Q:色味、構図、雰囲気、ストーリー、さらに名前まで似ているように感じられるのですが。

A:厳然と我々なりの投資をして作ったオリジナルキャラクターです。

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