89歳「すぎやまこういち氏」が文化功労者 本人が語る「5分+55年」のドラクエ秘話
10月27日、政府は2020年度の文化功労者20人を選出した。その中で、一般の人に馴染みがあるのは、人気ゲームソフト『ドラゴンクエスト』の音楽を担当した作曲家のすぎやまこういち氏(89)だろう。これで「無冠の帝王」が返上できたと喜ぶご本人に、ドラゴンクエストにまつわるエピソードを語ってもらった。
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すぎやま氏は、1986年発売の『ドラゴンクエスト』から、2017年発売のシリーズ本編最新作『ドラゴンクエストXI』まで、一貫してシリーズの全楽曲を手がけている。初代『ドラゴンクエスト』の楽曲を手がけた際には、初めからオーケストラ音楽で作曲し、それを3トラックにまで落とし込んでゲームに使っていた。オーケストラに想いを寄せるすぎやま氏は現在、青少年のオーケストラ入門になればと、自ら指揮をして東京都交響楽団を中心に日本各地でコンサートを行っている。2016年には、最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家として、ギネス世界記録にも認定された。
改めて経歴をご紹介すると、東京大学教育学部を卒業後、文化放送、フジテレビ勤務を経て作曲家に。黄金時代の「ザ・タイガース」や「ザ・ピーナッツ」の曲を手がけた。「亜麻色の髪の乙女」など多くのヒット曲、CM、アニメ、映画音楽、器楽曲、競馬のファンファーレなど幅広いジャンルの音楽を発表している。
初めてゲーム音楽を作曲したのは、1985年。同じ年、エニックス(現・スクウェア・エニックス)が発売したパソコンゲームソフト『森田和郎の将棋』をすぎやま氏が試したところ、序盤の駒の組み方に分かりにくいところがあったため、ソフトに添えられてあったアンケートハガキに感想を記入したことがきっかけだった。
「アンケートハガキを投函せずにそのまま放っておいたら、うちのかみさんが見つけて、投函したんです」
と語るのは、すぎやま氏ご本人。
筆名が平仮名だったので、エニックスのプロデューサーは、小学生からハガキが来たと思ったそうだ。
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