ユリコタイガーが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第63回は、ユリコタイガーさん。今回は「ラザニ屋」に伺いました!!

 日本のアニメやアイドル文化の影響力は凄まじい。イタリア北西部の都市に生まれ育った女性に、生まれ変わったら日本人になりたいと思わせてしまうほどなのだから。

「私が好きなきゃりーぱみゅぱみゅさんや中川翔子さんのようなアイドル文化、イタリアにはないんですよ」

 そう語るユリコタイガーさんは、イタリアで暮らしていた頃から、現地で数々のコスプレイベントやコンテストに出場していたが、20歳になる直前、満を持して日本に単身来日した。

「アニメやアイドルというと秋葉原のイメージがあるかもしれませんが、女性としてはちょっとこわかったです(笑)。やっぱり中野ブロードウェイがある中野や隣の高円寺あたりに住みたいと思っていました」

 そんな彼女のお気に入りは、高円寺の駅にほど近い、ありそうでなかったラザニア専門店「ラザニ屋」。

「一番好きなイタリア料理がラザニア。まさに母の味なんです」

 家庭にオーヴンがあるのは当たり前。前の晩に作っておき、昼ごはんとして食すのがスタンダードだという。家庭によっては4時間ほどかけてじっくり作り上げるのだとか。ちなみに、ユリコタイガーさんの実家はパン屋さんで、日本でもパン屋さんに入るとホームシックになってしまうそう。

 こちらの定番メニューのラザニアは、3日間煮込んだ濃厚なミートソースとベシャメルソースの相性が抜群。ラザニアの生地はもちもちの生パスタで、味覚もお腹も大満足の逸品である。また、プレーン以外にも変わり種が。色鮮やかな「グリーンラザニア」は、ふんだんにちりばめられたサクラエビの食感と香りがユニーク。ほかにも、「ゴルゴンゾーラチーズと鴨ときの子とさつま芋のラザニア」など、オリジナルメニューが目白押しだ。

 故郷を遠く離れても、忘れられない味が高円寺にあったとは。まさに縁は異なもの“味”なもの?

週刊新潮 2020年11月5日号掲載

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