17年目に突入の「世界一受けたい授業」、大幅テコ入できない日テレの頭の痛い問題

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6年連続No.1

「世界一受けたい授業」は04年10月にスタートし、この秋17年目に突入した。各界の著名人を先生として招き、世の中の仕組みやその人の考え方などをわかりやすく講義してもらう教養バラエティの先駆けだ。

「『林修の今でしょ!講座』(テレビ朝日、13年スタート)など派生番組も生まれました。講師として迎える先生にも共通の専門家がいましたからね。堺正章さん(74)を校長に、くりぃむしちゅーの上田晋也(50)を教頭(進行役)、同じく有田哲平(49)が学級委員長として、ゲストと共に学ぶという企画がウケたわけです」

 スタジオに招いた講師陣も豪華だった。元ソビエト連邦大統領のミハイル・ゴルバチョフやケニアのノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ、アメリカ元副大統領アルバート・ゴア、オノ・ヨーコなど世界的な著名人をキャスティングするなど話題にもなった。

「06年に日本PTA全国協議会が選ぶ“子供に見せたい番組”にランクインし、07年からは6年連続で1位に選ばれました。“見せたい番組”“見せたくない番組”は、12年を最後に発表されなくなりましたが、最後の12年には、1位『せかじゅ』、2位『志村どうぶつ園』と日テレの土曜ゴールデンでワンツーフィニッシュを決めたこともありました。日テレの良心と呼んでいいほどの枠で、視聴率も取れていた。しかし、志村けんさんが亡くなり『志村どうぶつ園』が終了し、『世界一受けた授業』も数字が落ちるという事態になってしまったんです」

「今でしょ!講座」はいまも高視聴率を続けているが、「世界一受けたい授業」はなぜ失速したのだろうか。

「最近は話題になるような講師が出演することもなくなりました。ロゴやスタジオセットのリニューアルは番組開始以来、初めてだったように、スタッフもMC陣も歳を取り過ぎました。番組スタート時、マチャアキは58歳、くりぃむしちゅーの2人も30代で勢いもあった。それが20年近くも経てば、安定感こそあれ、フレッシュさはなくなります。若い視聴者を獲得したいテレビ局は、まずMCの高齢化にメスを入れるものですが」

 日テレこそ、視聴率が落ちると、すぐにテコ入れしてきたようなイメージがあるのだが。

「『世界一受けた授業』だけは、なかなか手を入れられません。これまでも『世界一受けたい授業』は改編の度に、“対象番組”にリストアップされてきましたが、アンタッチャブルな番組となりつつあります」

 大御所マチャアキのためだろうか。

「むしろ、くりぃむしちゅーです。彼らは日テレだけで、『世界一受けたい授業』の他にも『しゃべくり007』がありますし、上田はピンで『おしゃれイズム』、『上田晋也の日本メダル話』、『Going! Sports&News』、BS日テレには『ストロングポイントクロス』という番組もある。さらに東京オリンピックでは明石家さんまさん(65)とともにオリンピック・キャスターを務めることも決定し、11月に予定されている日テレのキャンペーン“カラダWEEK”のキャプテンです」

 彼らが所属する事務所、ナチュラルエイトにまで視野を広げると、

「彼ら以外に所属するのは数名しかいない小さな事務所ですが、マツコ・デラックス(48)も有働由美子(51)もいる。マツコは『月曜から夜ふかし』、『マツコ会議』、有働には『news zero』がある。とにかく、日テレの番組が多いのです。だから日テレはナチュラルエイトには頭が上がらないということでしょう」

 これが“改革”が中途半端になった原因というわけだ。

 好調な日テレにも頭の痛い問題があるようで……。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月7日掲載

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