再ブレイクの鍵は共学力? チャラ男・藤森や出川哲朗らに見るお笑い界の構造変化

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チュート徳井にあって宮迫や渡部にないもの 問題児たちの明暗を分けるのも共学力か

 いま人気の芸人たちは、そもそも集団行動をしないのではないか。何々会とか誰々派とか、あの先輩に気に入られれば売れる、というわかりやすい道もない。その代わり、事務所も性別もジャンルも関係なく、ゆるやかに交流している。男子校の体育会的世界から、共学の放課後みたいな変化。男子校的な文化や、そこでの息苦しさに対するささやかな抵抗だろうか。ヒロシに至っては集団社会に背を向け、ソロキャンプ動画で再ブレイクを果たした。

 だからというのか、彼らは女性に鼻息を荒くすることもなければ、物笑いのタネにもしない。有吉さんはマツコ・デラックスさんや女子アナと組む番組が多く、藤森さんも「王様のブランチ」で女性に囲まれているが、どちらも姿勢はフラットだ。特筆すべきは最近復帰したチュートリアル・徳井義実さんで、彼の共学力は目を見張るものがある。指原莉乃さんや光浦靖子さんらも評価しているが、決して女性の発言や流行り物をバカにせず、和やかに受け入れてくれるという。徳井さんはモテるだろうと思った、と多くの女性タレントが証言するほどだ。

 彼は脱税疑惑で謹慎したが、他にも宮迫博之さんや渡部建さんなど、多くの芸人たちの不祥事が相次いだ。さまざまなタイミングで再起を図っているだろうが、テレビ復帰を支えるのも共学力しだいではないか。今はセクハラやパワハラに対し、世間はすごく敏感だ。出演者には女性や性的マイノリティの人もいるし、共演者に失礼な振る舞いをすれば一発アウトになる。

 となると、宮迫さんや渡部さんはちょっと厳しそうである。金を稼いでイイ車に乗り、イイ女を抱くのが全て。そういう男子校的価値観が強すぎたゆえに失敗したタイプといえるからだ。これでは損得感情の強い男子校的強者からも、居心地の良さを求める共学力世代からも敬遠されてしまう。彼らに必要なのはYouTubeの登録者数だけではない。今までバカにしてきたような、心優しくフラットな同僚や後輩の爪の垢を煎じて飲むことではないだろうか。

冨士海ネコ

2020年11月7日掲載

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