「鬼滅の刃」連載終了の理由 女性作者が福岡の実家から心配されていることとは

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“身を固めては”

 さらに版元の集英社はこんな“技”まで繰り出した。

「『鬼滅の刃』に関して、少なくとも25個の商標出願をしています。タイトルのロゴ以外にも、主人公の炭治郎が着る羽織の緑と黒の市松模様、果ては『全集中』『鬼殺隊』という言葉まで出願しているのです」(同)

 それらの多くは商標登録のため特許庁の審査待ちの状態。中国などでの“パクリ”に対する防衛策の側面はもちろんあるものの、

「出版社が25もの商標権を出願したのは珍しい。著作権ではタイトルや劇中の登場人物名や決め台詞などの単語は守られません。商標登録されれば、赤の他人が『全集中』と印字されたTシャツ等を勝手に販売できなくなる。使用する際は、著作権と同じくライセンス料を払うことになります。集英社は権利関係をしっかり整理している印象です」(前出・平野氏)

 濡れ手で粟の『鬼滅の刃』。しかし、人気漫画は“稼げるコンテンツ”として長寿化する傾向にあるにもかかわらず、今年5月に突如、「ジャンプ」での連載が終了してしまう。終了発表前からストーリー展開に唐突さが目立ち、ファンの間でさまざまな憶測を呼んでいたが、連載終了の理由を、

「実は結婚ではないかと言われていて……」

 と集英社関係者が囁く。

「原作者の吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんは女性なんです。年の頃は31歳前後の独身。出身は福岡でご実家の方から“そろそろ身を固めては”と心配され、郷里に帰ることになったと言われています。特定の相手がいるわけではなさそうですが、それだけでなく、作品が大ヒットし、“やり切った”という思いも本人にあったようです」

 だが本当の事情を知っている人物は集英社内にもほとんどいない、と続ける。

「ご本人は人見知りする方で、編集部内でも担当編集以外は会ったことすらない。実は集英社の社長もドル箱の漫画家に挨拶できていなかった。会合やパーティーの類には一切出てこず、本人も嫌がるので、それすら叶わなかったそうです。アニメの制作現場に激励に行くこともなく、社交性はゼロ。そんな人が本当に結婚するのか、と訝しむ声もあり、いずれ別の連載が始まる可能性も」(同)

 実際のところを集英社広報に尋ねたが、回答は得られなかった。

 原作者がベールに包まれたまま去っても、ブームが下火になる気配はない。

 むしろ、連載終了にまつわるあれやこれやが、ますます作品に「全集中」する効果をもたらしているのである。

週刊新潮 2020年11月5日号掲載

特集「『市松模様』まで商標登録の濡れ手で粟でも実家が結婚を願った『鬼滅の刃』原作者の引き籠り」より

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