職権乱用で不動産購入の千代田区長 妻が区議を“脅迫”で反省の色ナシ

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 都心のど真ん中で露見したマンション購入問題は混迷を深めるばかりだ。当事者の石川雅己千代田区長(79)が百条委員会で追及を受ける中、今度は妻も徹底抗戦。議会に脅迫めいた抗議文を送りつけたのである。

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 2017年の区長選で都民ファーストと小池百合子都知事が支援したのが、石川区長だった。それから3年余り経った今年3月、小池氏側近ともいわれた区長の“職権乱用”が発覚した。

 石川区長が家族と約1億2千万円で購入した区内のタワーマンションの一室が事業協力者住戸、すなわち地権者が優先的に購入でき、抽選も必要ない物件だったとNHKが報じたのだ。石川区長は地権者ではなく、物件を購入する資格はないはず。ゆえに、区長という立場を特権的に利用し購入したのでは、と疑惑を持たれることとなり、議会では百条委員会が設置される事態にまで発展した。

「石川さんは委員会でも事業協力者住戸と知らなかった、と一貫して主張しています」

 とは全国紙記者。

「ところが、今年の9月に販売会社の三井不動産レジデンシャルが事業協力者住戸として区長に販売した旨、記した文書を委員会に提出したのです。三井サイドは共同購入者の妻らに抽選が必要ないことは事前に知らせており、区長が知らなかったはずはありません」

 もともと石川区長は区内のマンションを複数購入しては転売を繰り返し、“財テク”には長けていた。そのため業者との癒着も囁かれ、百条委員会では購入を主導したとされる区長の妻へも尋問を実施するはずだった。しかし、

「妻は別の予定が入ったなどの理由で、尋問から逃げているのです」(同)

 それのみならず、議会事務局に対し、妻を差出人とした激烈な抗議文が送られてきたという。

〈知的レベル〉

 さる区政関係者が語る。

「その抗議文は百条委員会への出席を求める要請への返答として送られてきました。手書きのファックスや封書の形で何通かあり、内容はいずれも、委員会が不当であることを主張するもの。また、区議を小学生程度の理解力しかないと罵ったり、脅迫ともとれる文言まで見られるのです」

 一部を引くと、

〈私は、何度も申し上げますが、なんら関与していません〉

〈本年3月頃から内田ドン(編集部注:“都議会のドン”と呼ばれた内田茂・前自民党都議会幹事長)が裏で操作を始めたようです〉

〈悪質なイヤがらせで区長をおとしめている〉

〈善悪の判断も出来ない委員会に応じる必要はありません〉

〈貴会の知的レベルを疑います〉

 などと綴った上、

「追及する区議らについて、暴力団と関係していると示唆したり、“家庭内暴力の噂有”“金銭トラブルの噂有”“ラブホテル目撃情報有”など、誹謗中傷を並べたてているのです。トンデモない内容ですよ」(同)

 尋問に応じるどころか、家族まで反省の色ナシ、というわけか。

 さる区議が憤る。

「来年1月には任期満了に伴い、千代田区長選が行われる予定で、退職金は約2400万円。百条委員会はあくまで真相究明を行う組織なので、辞職勧告や退職金の減額を決議できません。このままでは退職金を満額懐に入れ、あわよくば、次期選挙にも出るつもりではないか」

 事実、石川区長は肝煎りのコロナ対策として、千代田区民に一律12万円を今後支給する。これでは選挙に向けた“区民買収”ととられても仕方あるまい。

 当の石川区長は、

「取材にお答えすることはできません。(再出馬について)あなたに話す義理はないでしょう」

週刊新潮 2020年11月5日号掲載

ワイド特集「『全集中』の人間鑑賞」より

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