『スパイの妻』で蒼井優を堪能、映画を劇的に弾ませる映画女優の芝居とは
現在公開中『スパイの妻』★★★★☆(星4つ)
女優・蒼井優の真骨頂は、映画の中での“劇的”な瞬間を演じることにあるのではないか。
『スパイの妻』の舞台は、1940年、太平洋戦争前夜の神戸。蒼井演じる聡子は、貿易商の夫・優作(高橋一生)と共に大邸宅に住まい、洋装に身を包んで暮らしている。すぐそこまで戦争が迫っている日常から隔絶したような生活を、彼女は送っているようだ。六甲山中を散策している時に彼女は偶然、幼馴染の津守(東出昌大)と再会する。いまや彼は憲兵分隊長として、思想を統制する立場にある。...