「菅官房長官に話しに行く」と神奈川県を“恫喝” 「菅総理」密接業者が公有地を転売
第二の森友疑惑! 「菅総理」タニマチが公有地を異例の好条件で取得(2/2)
前回(「菅総理」密接業者が公有地を異例の好条件で入手 行政の不自然な譲歩のナゾ)、菅総理の衆院議員初当選以前からの密接業者が、異例の好条件で神奈川県の公有地の払い下げを受けていたことを報じた。さらに、県とのやり取りの中で菅総理の名前が2度も出ていたことも明らかとなり、事態は「第二の森友疑惑」の様相を呈しているのだ。
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問題となったのは、神奈川県横浜市・保土ケ谷区にある3千平方メートルほどの土地だ。もともと神奈川県の県有地だったこの地が、横浜市内の「(有)成光舎」なる民間業者に売却されたのは5年前のこと。代表を務める河本善鎬(かわもとよしたか)氏は菅総理を長年支援し、成光舎名義で献金を続けてきた人物である。
一つ目の問題は、本来、競争入札が行われるはずの公有地の取引が、成光舎との随意契約になった点だ。もともと件の県有地と隣接する土地を所有していた成光舎は「保育所と学生寮を併設した施設整備」を理由に土地の取得を要望し、横浜市長によるお墨付きである「副申(ふくしん)書」(参考意見)が提出されたことも手伝い、取得に成功している。この副申書の作成にあたっては、県から市に対し、書き方指南の連絡があったという“厚遇”ぶりである。
契約の経緯も疑問であるが、取得額の決定も不透明である。もともと、不動産鑑定士の鑑定に基づき、土地の売却額は約4億5700万円とされていた。だがこれに河本代表は「事業の採算が合わない」などと主張。であれば改めて一般競争入札になるところを、交渉の末、県は異例の短期間での再鑑定を実施したのだ。「建築費が高騰した」ことなどを理由にした再鑑定額は、約3億8800万円。実に15%の値引きである。
2015年1月、「元常盤台公舎」は、成光舎に売却される。その際に両者が結んだ契約書には、土地の用途として、「保育所及び学生寮」、指定期間として「10年間」が定められた。つまり、売買から10年間、2025年まで成光舎はこの土地を、保育所や学生寮用地として使用しなければならないことになる。それを条件に随意契約が結ばれたのだから当然である。もちろん、期間中に土地を転売することなどは認められない。
売却当日、土地を転売
ところが、だ。
売却が完了してから2カ月後の3月。
「(この土地に)転売禁止の条件が付いていないか確認したい……」
県の担当課にさる不動産業者が訪ねてきたのだ。
話によれば、「河本さんからこの土地の売買の話をもらい、契約した」「転売禁止の条件は聞いていない」。県は当然、「転売は禁止である」と答える。驚いた業者は、「契約解除を考える」として帰っていった。その翌日、また別の業者、さらに翌4月、また別の業者が来て同様の質問をする。県はここに至って、河本代表が契約に反してこの土地を転売しようとしているのを知るのである。
加えて、新たな事実も発覚する。そもそも、成光舎は県から売却を受けた当日、この土地を「SJ」なる会社に既に転売していたのだ。
県が慌てて呼び出し、問い詰めると、代表は大要、以下のように説明した。
「この土地は雛壇状の土地であり、保育所を整備するためには、開発行為(土地の区画形質の変更)が必要。しかし、この土地への接続道路の幅員が狭く、条例上、開発が認められない」
「学生寮の設置も、市から100台程度の駐車場の確保が義務付けられている。採算が取れない」
つまり、やっぱり作るのは無理でした、と言い始めたのである。しかし、そもそも保育所などを作るという条件で、随意契約を認められているのだから、実際に建築が可能かどうか、採算が合うかどうかは事前に確認しなければならないのは当然。公有財産であり、億単位の金が動く。「やっぱり無理」で、済まされるような案件ではない。
また、「SJ」への転売については、「成光舎では銀行の融資が下りない」「そのため、成光舎の関連会社である『SJ』に登記上、移転をした」と述べた。
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