ロッテ「澤村拓一」にメジャー入りはあるか 中大時代はインディアンスが熱心に勧誘
10月26日(現地時間)、米メディアが海外FA権を取得したロッテの澤村拓一投手(32)に対して、複数のメジャー球団が関心を寄せていると報じた。97マイル(約156キロ)のストレート、90マイル(約145キロ)のスプリットが評価されているそうだが、澤村クラスのピッチャーは海の向こうにはいくらでもいそうな気も……。果たしてメジャーで通用するのか。
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澤村は9月にロッテに移籍した後、18試合に登板し、許した安打は8、失点4、23奪三振、防御率2・04(10月31日現在)と好調を維持している。そもそも彼に、メジャー志向はあるのだろうか。
「中央大学に在籍していた頃は、メジャー志向でした。アマチュアからいきなりメジャーに行く選択肢もあるでしょうし、3年生の時にアメリカへ行かせました。ところが、いざメジャーのプレーを目の当たりにすると、ビビッてしまったのか、2試合だけ観戦して帰ってきた。そして『メジャーには行きません。日本の方がいいです』と言っていました」
と語るのは、澤村が籍を置いた中央大学野球部の元監督で、野球評論家の高橋善正氏。
「実際、大学4年の時、インディアンスからオファーがありました。熱心にお誘いがありましたが、結局、お断りしました」
驚異的な球威
仮にメジャーに移籍となったら通用するのだろうか。
「先発では、まず無理でしょうね。制球力もロッテで良くなったとはいえ、まだまだ。田中将大やダルビッシュのように抜群のコントロールがないと、先発投手としてメジャーで活躍できません。ただ、リリーフなら、そこそこできるかもしれません。1イニングだけなら、投球の組み立ては必要なく、力で押し切ってしまえばいいわけですから」(同)
最近のメジャーは、リリーフ投手を重要視している。年俸が10億円を超える中継ぎ投手は珍しくないという。高橋氏は、スカウトが澤村の球威のあるストレートとスプリットに魅力を感じているとみる。
「ストレートはコンスタントに155、6キロ投げますが、メジャーには160キロ台を出す投手はゴロゴロいます。ただし、澤村のストレートには球威がある。バットを押し込む威力、重さがあります。日本球界ではトップクラスですよ。メジャーでも十分通用するでしょう」(同)
球界でも澤村の球威はよく知られている。9月27日のソフトバンク戦で、川瀬晃のバットをスプリットでへし折り、ファンから、「木材破壊王」と言われた。
「問題は英語力ですね。大学時代は喋れませんでした。プロになって話せるようになったという話も聞いていません。やはりメジャーでは英語ができないと、メンタル面で影響を受けますよ。ゴルフのジャンボ尾崎さんは、英語が喋れずにずいぶん苦労したという話を聞きます。澤村は、見かけは逞しくて、顔も厳ついが、内面はデリケートな男です。メジャーへ移籍しても英語ができないとなると、心配ですね」(同)
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