「菅総理」密接業者が公有地を異例の好条件で入手 行政の不自然な譲歩のナゾ

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「納得ができない。また来ますよ」

 先に述べたように、県はこの土地について、既に不動産鑑定士に評価額の鑑定を発注していた。その結果が出、県は売却額を約4億5700万円と決定。12月に河本代表に伝えた。

 すると、

「思ったよりも高い」

 と河本代表は異論を唱え始めたのである。

「(こちらの見込みは)3億円台の半ばくらい」

「事業の採算が合わない。保育園・学生寮も開設できない恐れがある」

 これに対して県は、

「鑑定評価の内容に問題点は確認できない」

「今の条件で貴社が購入できないとのことであれば、一般競争入札に向けた手続きを進めることになる」

 と応じる。極めて真っ当な対応だが、河本代表はこれに激怒する。

「その発言は問題ですよ」

「そんなこと言うなら、最初から話をする必要はない。帰りますよ。現地に旗を立てますよ。差し止め訴訟を起こしますよ」

「納得ができない。また来ますよ。また来ますよ」

突如再鑑定を実施

 この発言は県が作った内部文書の交渉メモから引いている。実際の表現はもっと苛烈であったろう。まるで“恫喝”に見える。

 県はこれにも動じず、再鑑定はしない、との方針を貫いていた。

 しかし、2014年の5月。「再鑑定を実施する」……なぜか突然、県はこれまで否定していた再鑑定に舵を切り、河本代表に伝達するのだ。もっとも、最初の鑑定の有効期限は1年間。その期間内での再鑑定はイレギュラー。そのため「建築費が高騰した」「消費税が上がった」との理由を捻出しているのである。

 7月、その再鑑定の結果が出る。額は約3億8800万円。結果として当初の鑑定より7千万円、実に15%もの値引きとなったのだ。

週刊新潮 2020年11月5日号掲載

特集「『第二の森友事件』! 『菅総理』タニマチが公有地でぼろ儲け」より

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