かつて韓国の嘘を暴いたバイデン 「恐中病と不実」を思い出すか

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「中国へのゴマすり」が始動

――なぜ、青瓦台は公開したのでしょうか?

鈴置:見出しなどから判断するに、キョンヒャンは「国民の人気取りのため」との前提で書いています。しかし、「中国へのゴマすり」部分も大きかったと思います。

 三か国安保協力体制の強化こそはもっとも中国が嫌がる動きです。朴槿恵政権は中国に対し「米国防長官にもけんもほろろに断りましたからね」と示したかったのは間違いありません。

――要は、ヘーゲル訪韓時に米国を怒らせていたのがポイントですね。

鈴置:そこで2か月後のバイデン訪韓の際、米国は「日本のせいで三か国安保協力体制を組めない」という「韓国の嘘」を暴いた。

「やりかえした感」もありました。韓国がやったように自分の側の発言を公開する手法を使って「本当は恐中病からだろ?」と指摘したのですから。

図星に逆上して居直り

――図星を指された韓国メディアはどう反論したのですか?

鈴置:「米中二股のどこが悪いのか」と居直ったのです。先に紹介した、中央日報の裵明福・論説委員は「賭けを要求する前に」で以下のように書きました。韓国政府が言いたくても言えないことを代弁した感もあります。

・バイデン米副大統領の「賭け発言」は韓国外交史の1ページを飾る可能性が大きい。
・朴槿恵政権は均衡外交に出て、米中の間で危うい綱渡りをしている。米国は米国と日本の側につくことを望んでいる。中国は自分の側に引き寄せようと力を尽くす。しかし、韓国はどちら側にも全部を賭けるわけにはいかない。分けて賭けるしかないのだ。
・バイデン氏はアジア太平洋での再均衡への強力な意思を明らかにした。それなら静かに行動で見せてくれればよい。すぐにできることをしないで、できない選択を韓国に強要するのは賢明ではない。

 裵明福・論説委員は「バイデン発言が韓国外交史の1ページを飾る」と評しました。が、「米中二股外交」を認めて居直った、この記事こそが画期的でした。それまで韓国人に米中二股を指摘すると、否定したうえ「韓米の離間を図る日本の陰謀だ」と怒りだしたものです。

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