デヴィ夫人「不妊発言」は関テレ発 在京のみならず在阪テレビマンも仰天した理由

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倫理違反を問われたばかり

「たしかに関西では過激なネタが好まれる傾向が今もある」と言うのは東京と関西、両方で活躍する業界関係者だ。

「東京では芸能ネタを扱わなくなった一方で、関西では過激なネタを求められることは多いです。それにお笑い芸人が司会ということも多いので、話を回すのが上手く、東京キー局よりも、つい調子に乗ってしまうこともあると思います。関西ローカルは、基本的に司会者にお任せといった雰囲気がありますしね。ただし、今回の発言がネット上で火がついたように、たとえ放送されていない地域でも、すぐに拡散します。ですから、ローカル番組といえども、出演者の発言にはかなり気をつける必要があります。にもかかわらず、在阪のテレビマンは、どうせ東京では放送されないといった、ひと昔前の意識が残っているのだと思います」

 ただし、デヴィ夫人の発言に関しては、関テレ以外の在阪テレビマンたちも驚いたという。

「『胸いっぱいサミット!』って生放送だったの!?と驚きました。実は昨年、この番組で韓国人に対する発言が問題になりました。あの時は収録でした。収録にもかかわらず、ヘイト的な発言をカットしなかったことが問題になったわけです。この問題に対してBPO(放送倫理・番組向上機構)が“倫理違反”と結論づけたのは今年1月。にもかかわらず、今度は生放送でデヴィ夫人を使うなんて、信じられません」

 ひょっとして、東京のテレビマン以上の驚きかも……。

「在阪のテレビ局だって、生放送の時には念入りに打ち合わせをしてから放送しますよ。収録なら、自由に喋ってもらい、後でカットするのは大阪でも一緒です。にもかかわらず、デヴィ夫人を生で使うとは。とにかく、持論を曲げるような人ではないですから」

 デヴィ夫人の謝罪には、以下の一文がある。

〈中絶によってその方自身、または周りの方々が生涯取り返しのつかない後悔に陥ってほしくないという強い思いからの発言でした。/言葉と表現が足りず、一方的な発言が先行した結果こうした事態を招いたこととなり、深く反省しております……〉

「同じ在阪テレビ局でも、日本テレビ系列の読売テレビなどは、日テレ同様にコンプライアンスに厳しいことで有名で、こんなことはありえないと思います。その点、関テレは甘い、というより緩いということでしょう」

 関テレはフジテレビ系列である。

「貧すれば鈍するとでも言うのか、局の勢いがなくなると、ディレクターの質が落ちるという声もあります。下請けの制作会社のディレクターで能力のある人が、勢いのあるよその局に取られてしまうんです。それで危機管理も緩くなってくる。今回の発言はもちろん、デヴィ夫人に責任がある。でも、彼女をやめさせるだけでは、問題の本質の解決にはならないと思います」

週刊新潮WEB取材班

2020年11月3日掲載

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