「私達は実験台じゃない」 11月7・8日の東京ドーム巨人戦「観客8割」実証実験のナゼ

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一般の観客を巻き込んで2週連続でやらなければならないのか?

「観客が実験台に利用されるのか?」「入場制限があるから安心してチケットを買ったのにふざけるな」――。11月7、8日に東京ドームで開催されるプロ野球・読売巨人軍の公式戦で、収容人数の約8割の観客を入れる実証実験が行われることに、一部のファンから強い不満の声が上がっている。

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 実験は、政府の新型コロナウイルス分科会で了承されており、感染防止対策の新技術を試行することで感染リスクや対策を検証し、入場制限の緩和につなげる狙いがあるようだ。

 ただ、同様の実験は、既に横浜スタジアムでも10月30~11月1日に実施されており、果たして、いまだにコロナ感染拡大が収まらないこの時期に、一般の観客を巻き込んで2週連続でやらなければならない実験なのだろうか。

伝統の巨人阪神戦でもチケット大量売れ残っていたのに

 プロ野球は今シーズン、新型コロナ感染予防の観点から、6月に無観客で開幕した後、7月になって上限5000人の観客を入れるようになり、9月19日からは会場収容人数の50%が入場人数の上限となっている。

 各地の球場の上限は、2万人前後とされているが、外野席はソーシャルディスタンスがほとんど保たれないまま観客が密になって座る一方、席代が比較的高い内野席は空席が目立っているのが現状だ。

 東京ドームについていえば、収容人数の45%となる1万9000人を上限にチケットが販売されているが、伝統の対阪神戦が行われた10月23~25日の週末3連戦でさえ、1万人強しか観客は入っておらず、相当な枚数のチケットが売れ残ったことになる。

 こうした中でまず疑問に思うのは、巨人のセ・リーグ優勝が決まる前の阪神戦でさえチケットが売れ残っていたのに、巨人優勝決定後の「消化試合」で東京ドームの収容人数の約8割、すなわち約3万7000人ものファンが集まるのかということだ。

 45%の入場制限によって球場に行きたくても行けないファンが数多くいるという状況であれば、球場での観戦を願うファンの期待に応える意味では、約8割で実証実験をする意義はあるかもしれない。

 ただ、そもそも今でも球場では空席が目立ち、さらには全国各地でクラスターが発生するなどいまだに新型コロナ感染拡大が落ち着かないという現状の中で、無理矢理8割もの観客を入れてまで実証実験をする必要性があるのか、首をかしげざるをえない。

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