「鬼滅の刃」を関テレが緊急レギュラー放送、“災い転じて福と為す”と言われる理由

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「えみちゃんねる」後継番組を作るより

 ネット上でも、この抜擢に歓迎の声が上がっているが、中にはこんな声も。

〈英断というよりは稼ぎ頭の番組が少なくなってきたってことでしょうかね。〉

〈鬼滅、明日から関テレで放送やってか。まあ、この枠は前もえみちゃんねるやってたから、鬼枠って意味じゃ変わりないんやけどな〉

「『鬼滅』は、昨年4月にまずTOKYO MXや群馬テレビなど独立系U局とAbemaTVで放送がスタートしました。直後にAmazonプライムなどでも配信され、ローカル局でも放送が始まりました。関西では日本テレビ系列の読売テレビで放送されました。だからこそ、系列を超えて、フジ系の関テレで再放送されるのは異例なんです」

 関西では、日テレ系からフジ系が「鬼滅」を奪った、なんて声もあるようだ。

「確かに日テレも『鬼滅』を放送したかったからこそ、『しゃべくり007』に劇場版の声優・鬼頭明里を呼んだりしていたんでしょう。MXの元アニメ事業局長を引き抜いたりもしていましたからね。でも、『鬼滅』の製作には日テレもフジも、もちろん読売も関テレも関わっていません。制作のアニプレックス、原作の集英社、そしてアニメ制作のユーフォーテーブルの3社によるアニメ作品ですから」

 では、フジが獲得できたのはなぜか。

「映画の番宣だから旧作アニメは意外に安いとも聞きますが、フジがドカンと金を出したという声がもっぱらですね。そもそも『鬼滅』は深夜のローカルセールスでしたから、安かった。おそらく1話20万円程度ではないでしょうか。そうでなければ、U局やローカル局では購入できません。そこへフジが“一挙放送”のために、全26話を購入。5億~10億くらい出したなんて声も聞きます。ただ、2日間では全部は放送できなかったので、放送できなかった回は、系列局へ売ることで、買い付けを回収しているということでしょう。で、関テレがゴールデンで放送を始めたというわけです。『えみちゃんねる』に代わる新番組を作るとなると毎回1000万円はかかります。それよりも、人気アニメを流した方がペイすると判断したのでしょう」

 気になる結果は関テレの目論見通りとなった。23日初回の世帯視聴率は15・1%。個人視聴率10・1%は、この日の関西全番組中1位を獲得した。NHK朝ドラ「エール」(9・5%)をも上回る数字である。

 今後の注目は、『鬼滅』の新作アニメをどこが放送するかだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月28日掲載

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