Facebookに長文掲載 「反日」を放棄できない「文大統領」の限界 「日本海-東海」論争
中学生から寄贈された地図・古書を根拠に「韓国の勝利」を宣言
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、ついに自身の念願だった、日本を嘘つき呼ばわりできる「歴史的発見」に成功したかもしれない。文大統領は10月23日、自身のFacebookアカウントに「日本の主張が歴史歪曲であることを確認できる貴重な資料」を発見したという長文を掲載した。
「われわれは二度と日本に負けない」と綴り、就任後3年5カ月が過ぎても「反日」を放棄できない文大統領は何を発見したのか。
文大統領が言い放った貴重な資料とは、ある中学生が韓国政府に寄贈した地図と古書だった。
文大統領はこの地図が18世紀にイギリスで制作されたもので、古書は「豊公遺宝図略」というタイトルで、過去の朝鮮時代における日韓交流の事例が掲載されていると紹介した。
この地図と古書では韓国の「東海(トンヘ)」を朝鮮の英文表記である「Sea of Korea」と記しており、「日本海」が正しいとする日本の表記が歴史歪曲であると確認できるというもの。
寄贈した中学生は、文大統領に送った手紙に「地図には韓国の東海を<Sea of Korea>と表記しており、日本に文句を言わせない資料になることを望む」と綴った。
文大統領はこの学生に「若いが、実に称賛されるべきで殊勝な行為だ」などと激励している。
果たして地図、古書は「東海が正しい」ことを証明しているのか
実際、この中学生が文大統領に寄贈した地図と豊公遺宝図略で「Sea of Korea」と表記がされているとしても、東海が正しいという根拠にはなり得ない。
この地図が世界的に「いかなる異議も存在しない」と認められたわけでなく、あのころ第三国が製作した世界地図には、「Sea of Japan」という表記がかなりある。
この小さな地図一つで、日本海-東海論争が韓国の勝利で終わり、そのため、日本が歴史を歪曲したという文大統領の主張は「確証バイアス(支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視する)」と言うほかない。
もちろん、韓国内でも自分たちの意見と合わない「積弊」、あるいは「親日派」を追いやる多くの文大統領の支持者らを考えてみると、彼のこのような主張は驚くほどではないのだが……。
特に豊公遺宝図略の東海が正しいと言うなら、むしろ「難癖をつけられる」のは大統領の方になるのではないか。
韓国側の記録によると、豊公遺宝図略は朝鮮の第14代王宣祖(ソンジョ)(1567~1608在任)が、日本の豊臣秀吉に使臣である朝鮮通信使を1590年に派遣して送った献上品であり、後日1832年に日本の僧侶である「眞靜」が木版に刻んだ木版本書籍である。
宣祖が豊臣秀吉に贈った国書と献上品の目録が記載されている豊公遺宝図略を根拠に「間違いなく東海である」と主張できるかそもそも疑問である。
さらに、そこから日本人僧侶が製作したものを根拠に「日本人が東海ということを認めた」と言い張っても、これも確証バイアスであり、憶測に過ぎない。
煎じ詰めれば、豊公遺宝図略は朝鮮の王が朝鮮通信使を通じて日本に送った物品の目録を242年後に日本人僧侶がそのまま写したものである。
当時の日本政府や権力者が「日本海ではなく東海ということを認める」ということでは全くないのだ。
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