カーシェア会社破綻で窮地のオーナーたち 高級車が放置される駐車場で見た修羅場とは

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俺の白いアルファードはどこに……

 夕暮れ時、青い顔をして飛び込んできた男性がいた。

「白のアルファードです!」

 彼は縦横無尽に駐車場の中を駆け回り出した。やがて隅のほうでナンバープレートが取れた状態の白いアルファードを見つけ、中に乗り込んだが、

「年式が違う」

 とまた違う方向に。結局、見つからず、前出のボランティアの男性に確認したが、

「ここにはその車はないね。近辺のコインパーキングに放置されたままの車もあるし、他にも溜まり場があるっていうし、どこにあるかはわからないよ」

 そう言われ、男性は愕然とした様子でどこかに電話をし始めるのであった。同行していた知人によれば、

「彼は信販会社からの将来の利息分を含む一括返済を迫られることを恐れ、先手を打って一括返済しようと考えた。ただカネがない。結局、親族を駆け回って670万円を工面したのです。そして、一括返済して車の所有権を取り戻すことには成功したが、肝心の車が見つからなかった。すぐに売却し、債権者に返済しなければならない事情があるのでしょう」

 日が暮れるまで、駐車場のあちこちで、オーナーたちの悲嘆する声が聞こえ続けるのである。

 一方で、一部のオーナーたちはSNSで連絡を取り合い、警視庁池袋署と埼玉県警武南署に被害相談に訪れているというが、警察関係者によれば、

「テレビでニュースになるなど社会問題化してきたので調査には乗り出してはいますが、詐欺として立件される可能性はほぼないでしょう」

 甘い話には罠がある――。改めて思い知らされる話である。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月26日掲載

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