専業タレントはもう古い? フワちゃん、丸山礼、ラランド・サーヤ…二足のわらじ女子たちの強さ
1万時間の法則、というのがあるらしい。何事も1万時間費やせば、その道では一流のスキルが身につくという話である。けれども、今どき一つのことに打ち込むなんてバカみたい、と思う人は増えたのではないだろうか。特にお笑い界、最近よく見かける女性たちは、みな“二足のわらじ”女子である。
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筆頭がフワちゃんだろう。昔はYouTuberって得体のしれない稼業だったが、要は何でもありの個人商店。指原莉乃の友達という触れ込みと、ド派手な衣装にタメ口のはっちゃけキャラで、瞬く間にバラエティ界を席巻した。かつてはキワモノのお客さん扱いされていたが、今や立派なレギュラーに。「で、君は何をしてる人なの?」と芸能人としての覚悟と売れ具合を問い続けてきたあの和田アキ子でさえ、「フワちゃんに会いたい、機転が利く」とヨイショしたのには驚いた。今は自分より人気が上だと、認めざるを得なかったのだろう。
個人商店といえば、事務所に所属せずフリーで活動するラランド・サーヤも大人気だ。お笑い芸人の傍ら広告代理店にも勤務し、「アメトーーク!」や「セブンルール」などの番組に引っ張りだこである。出演時は、「銀行員とか商社マンと遊んでる(から、女性芸人は男性芸人に告白しないとモテないような扱いはやめてほしい)」「尊敬する先輩としか飲みに行かない」などの発言も飛び出し、賛否両論を呼んだ。
また事務所に所属しながらも、テレビよりYouTubeを主戦場に置く芸人もいる。例えば丸山礼がそうだ。ブレイクのきっかけは、土屋太鳳やロバート秋山の顔マネ。でも今やお笑いだけでなく、ファッションブランドまで手掛ける多才ぶりを見せている。出始めの頃は素朴な雰囲気だったが、めっきりキレイなお姉さんになっていた。
本業をちゃんとしてりゃいいのに、アピールがうるさい、と批判する声もまだまだある。でも、彼女たちは実に堂々としていて楽しそうだ。実力だってもちろんある。ラランドはアマチュアながら、2019年のM-1グランプリ準決勝進出。丸山もワタナベコメディスクールの特待生にスカウトされ、首席で卒業という経歴だ。でも彼女たちの強さは、実力よりも二足のわらじゆえの余裕に負うところが大きいのではないか。「副業」の場所で保険をかけているから、テレビではやりたい放題できるということだ。
テレビがダメでもYouTubeがあるし、芸人以外にも稼ぎ口があるし。私のことが嫌いなら見ないでいいよ、ファンもフォロワーもたくさんいるんで。ていうか、「副業」はテレビの方。そう言わんばかりのふてぶてしささえ感じることもある。でも、そのふてぶてしさも芸のうち。冴えない、モテない、気遣われない女性芸人の役回りから脱出するには、それくらいのインパクトある態度でないと聞いてもらえない。そのことをよくわかっているのだろう。
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