「石破茂」 派閥会長「電撃辞任」の真相 「新党立ち上げ」の可能性は?
世間はそんな俺たちを支持してくれていたはずが…
自民党の石破茂元幹事長は22日の石破派(水月会)の会合で、会長辞任を表明。政界では驚きをもって迎えられた。この異例の事態はなぜ起こったのか?
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石破氏は9月の党総裁選に大敗した責任を取り、自身が率いる派閥の会長を辞任した。
「派閥のボスとは暴力団の組長と同じで、辞める=引退です。会長を退いてもヒラで居続けるっていうのは過去に例がないし、それはつまり“何となく次のチャンスを待つ”っていうことでしょうけれど、理解に苦しみますね」
と、自民党の閣僚経験者。ともあれ、この間の経緯を政治部デスクに解説してもらうと、
「今回の挑戦で4度目だったわけですが、派内では“勝ち目がなさすぎる”ということで出馬を踏みとどまるように進言する幹部がいました。それでも石破さんは“出ないなら支援してくれる人たちへの説明がつかない”などと言って出馬に突き進んでいきました」
結果は無残だった。
国会議員票と地方票の合計534のうち、国会議員票26、地方票42の計68にとどまり、菅義偉首相の377、岸田文雄前政調会長の89に遠く及ばず、最下位に沈んだ。
「石破さんは『次の首相』アンケートでは長らく首位に立ち、安倍さん(晋三前首相)らを圧倒していました。党内で反主流派という立ち位置で冷や飯を食い続けているけれど、世間はそんな俺たちを支持してくれている。だからチャンスはあるという計算があったのです」
石破氏らにとって誤算だったのは、安倍前首相の突然の退陣だった。
「それまで頼みとして会食などを重ねてきたはずの二階(俊博)幹事長が、『菅総裁・首相』へのレールを敷いてしまって、他派閥のボスも勝馬に乗れとばかりに、雪崩を打ちました」
アンチでい続けるのは苦しいから
「せめて総裁選で2位にでもなれば、石破が辞めるってことにはならなかったと思いますけどね」
と話すのは、自民党内の別派閥の幹部クラス。
「『アンチ安倍』路線でやってきて、安倍さんから“石破にだけは絶対に(首相・総裁を)やらせたくない”とまで言われて、その結果が菅さんだった。安倍さんからの禅譲を狙う岸田の人気がないことにあぐらをかいていた作戦ミスだよね」
「石破派は19人という小所帯で、つまり党内では人気がないんだから、普通は全方位外交で、みんなと仲良くなるもんでしょう。安倍さんっていう一番の敵にケンカを売るっていうのがどういう意味を持つか、しっかり見えてなかったんじゃないの? 結果論かもしれないけどさ」
「その安倍さんもいなくなって、今度は『アンチ菅』を続けても、『石破首相』の目はないし、冷や飯を食わされ続けている派閥の連中は他に逃げかねない。一旦矛は収めて、“仕事する”菅政権に協力する姿勢を見せて汗でもかけば、また展望はないわけではないって考えなのかもしれませんね」
「まぁ、前代未聞の事態ではあるけれど、アンチでい続けるのは苦しいから、判断としてはわからなくもないですよ」
石破派のあるメンバーも、
「水月会は石破さんを中心にした会。石破さんが辞めると遠心力が働くといった意見もありましたが、それを止める人はあんまりいなかった。一度、会長を辞めないと、それこそ分裂ってことになっていたかもしれません。石破さん自身、引いた立場で客観的に物事を見つめる時間があってもいいのでは?」
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