韓国で「反日」は宗教化し、狂気に満ちた全体主義社会へ進んでいる
日韓関係は最悪でも、韓国で日本のニュースが流れ続ける不思議
1965年の日韓基本条約締結以来、日韓関係が最悪だ。普通の人間関係では、誰かと仲が悪ければ、その対象がいくら隣同士であっても、相手に対する関係を絶ったり無視したりするのが普通だ。しかし、多くの韓国人にとって日本は、好感の持てない隣国であるにもかかわらず、関心だけは昔も今も変わらないようだ。
いや、むしろ関係が最悪だというのに、韓国のマスコミでは、連日、政治、経済、社会のあらゆる面において日本のニュースが流れている。
数日前のニュースを見ても、「『No Japan+コロナ』ひざまずいたユニクロ、韓国で数百億の赤字」という記事が、韓国人の最も関心を寄せている国際ニュースであるということを、アクセスランキングが証明している。
それに、ドイツにおける少女像の設置問題、趙廷来(チョ・ジョンレ)という元老の文人による「親日派発言」をめぐる波紋など、日本関連のニュースは連日、韓国社会の主なイシューになっている。
これは日韓が単に「愛憎の関係」だという言葉では説明し難い、韓国人の日本に対する複雑な感情を示す現象に違いない。
私が思うに、韓国人は日本に対して「憎」よりは「愛」の感情をたくさん抱いているようだ。
もちろん植民地支配に対する漠然とした反感や憎悪は大きいが、それが国家と民族の単位ではなく個人の領域に入れば、日本に対する反感がそれほど大きくないということを韓国に住む私はいろんな経験を通じて実感している。
また、「憎」に対する感情も複雑で、まるで全体主義国家のように、教育とマスコミを通じた反日感情の煽動と、歴史に対する歪曲に起因する官制民族主義の結果であって、実際に個々の韓国人は必ずしもそうは思っていないということ、そして、そうは思っていない人々の数がますます増えていることは芳しいことだ。
このようにして、韓国は1945年以降、日本に対する劣等感を拭いきれず、国をもって反日感情を育ててきた。
しかも、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は就任演説で、韓国の近代史に触れ、「正義が敗北し、機会主義が蔓延した時代」、「独善と腐敗の歴史」「分裂の歴史」「敗北の歴史」「屈辱の歴史」など、韓国の正統性を否定する発言を続けた。そして、そのすべての原因は親日派を断罪できなかったことにあるとし、歴史を正しく立て直す運動を主導した。
一体、清算されていない「親日残在」とは何であり、どれほどの親日派とその子孫がいい思いをしてきたと思ってこのような発想をするのだろうか。
文大統領の娘は、日本の国士舘大学に留学をしたとされる。趙廷来氏の言葉を借りるなら、文大統領も親日派になるわけだ。
もはや国家主義、民族主義という、時代錯誤的な「くびき」から脱し、客観的な見方で歴史を直視しなければならない時だ。
政治家たちの計算によって、また市民運動をかこつけた金儲け集団の、歪曲と煽動で日韓関係が破綻に陥っていることを座視してばかりいていいのだろうか。
今の韓国社会は、国家と民族意識の過剰による、狂気に満ちた全体主義社会に進もうとする兆しが見える。
どうか近未来に世界10位圏の経済大国になるという国に相応しい、韓国社会の集団知性がまともに作動することを期待する。
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