高齢者の「新しいものが苦手」に疑問符 戦後の生活革新に比べればアイフォンなんて(古市憲寿)
「年寄りだから新しいものが苦手」という人がいる。本人が言う場合もあるし、家族がそう決めつけることもある。そういった言葉を聞く度に疑問を抱く。なぜなら「年寄り」ほど、社会の大変化を受け入れてきた人々だからだ。
たとえば90歳前後の人は、アジア太平洋戦争を知っている。戦前と戦後の変化は、ポストコロナどころの騒ぎではない。国号や憲法が変わり、占領地を失い、首脳陣が一新された。300万人以上が命を落とし、戦後にはベビーブームが起こった。まさに「国の形」が変わったのである。...