Kis-My-Ft2「宮田俊哉」の“好き”を突き詰めた人生 アニメ、ヲタ芸から声優にも挑戦
「やっぱりムリして作っても、すぐメッキがはがれる」
およそジャニーズアイドルのものとは思えない返答である。例えばこのような質問には『スケボー(TOKIO・長瀬智也)』とか、スポーツではなくてもせいぜい『釣り(嵐・大野智)』のようにアウトドアな過ごし方を答えるのが、従来の男性アイドルの答えの一般的な雛形であった。
にも関わらず、宮田は“考えるまでもなく”インドアであり、ゲームやアニメ好きであることを主張し続けてきた。
この発言は約10年前のものだが、それ以降も宮田はこの“オタクキャラ”やアニメ愛の発信を続け、バラエティ番組などで徐々に認知され、ついには昨年、バンダイナムコが運営するアニメ・声優ファン向けアプリ「&CAST!!!」のCMに出演して仕事に結実するまでになった。
こう書くと、タレントが仕事を得るためにキャラクターを作っていった――という話に聞こえてしまうかもしれない。
だが、宮田は違う。
ここでは便宜上“オタクキャラ”と記させて頂いたが、本当は“キャラ”と表現してしまうには失礼なくらい、“本気”なのである。
本人もこう語っている。
「キャラってのは、やっぱりムリして作っても、すぐメッキがはがれる」(*3)
特にアニメという分野においては“参入障壁”が高く、いわゆる“ビジネスオタク”、仕事にしようとする意図が透けて見えるとネット上などで叩かれるリスクもある。
メッキではない、約20年にわたって熟成されてきた宮田のアニメ愛は、本物であるからこそ、アニメファンにも受け入れられていった。
「仕事になるから好きになる」のではなく
「『仕事に繋がるから、このアニメを見よう』という邪(よこしま)な目線でアニメを見ていませんね(笑)」
「知らないアニメを語る仕事が届いて『あの番組に出るチャンスだし、今から見て好きになろう』というのは、許せないです(笑)」(*6)
と、そこには本当に好きだからこそ曲げない強い意志がある。
「仕事になるから好きになる」のではなく、好きだったものが結果的に仕事になっていく。
たしかに“仕事になるから”だけでは20年も続かないし、そもそも“宮田以前”は、“ジャニーズアイドルがアニメ愛を語る仕事”など存在しなかったのだ。
ニーズにあわせていったのではなく、宮田が宮田であり続けたからこそ、そこにニーズが生まれた。
今では今年CDデビューしたSnow Manの佐久間大介のようにその道を追随する後輩も現れている。
そして、仕事が生まれたからといって、そこに溺れないのが宮田の真摯さ。
今ではアニメについて意見を言う仕事も多いが「あまり好きではないことを『好き』として語りたくない気持ちがある」(*6)と、作品について語る仕事の場合は、事前に作品名を知らせてもらい、見ていなければ正直に見ていないことを伝えるという、徹底的な真摯さの上で仕事をしている。
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