高級車専門カーシェア会社が破綻で600人がローン地獄 顧客が語る“詐欺的ビジネス”の全容

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Xは新橋ハンマー襲撃事件の被害者だった

 反社会勢力の影もあった。

「Xは現役の暴力団組員とも親しく交際し、定期的にカネも上納していました。オレオレ詐欺をやっていたような半グレ連中ともつるみ、彼ら相手に携帯電話の名義貸しビジネスも手掛けていた。そして2年前、トラブルに発展し、半グレが雇った男二人に襲撃されたのです」

 当時、その話は事件としてテレビ、新聞も取り上げている。

〈20日午後5時35分ごろ、東京都港区西新橋1丁目の路上で、会社役員の男性(39)と同僚の会社員の男性(22)が2人組の男に襲われた。2人はハンマーのようなもので頭などを殴られ、顔や鼻を複雑骨折するなどして重傷だが、命に別条はないという。役員の男性は現金約20万円を奪われた。男2人は逃走しており、警視庁が強盗傷害容疑で捜査している。

 愛宕署によると、被害者の1人は「突然無言で後ろから殴られた。面識はないと思う」と話している。現場付近にはハンマーのようなものが落ちていた。暴行を目撃した人が110番通報した。

 男らは2人を暴行した後、タクシーで逃げたという。1人は30~40歳くらいで身長約160センチ。頭は丸刈りだった。もう1人は30歳くらいで身長170~180センチ。茶色のモヒカン刈りだったという〉(「新橋でハンマー強盗か、男性2人重傷 モヒカン男ら逃走」朝日新聞・2016年12月20日)

「強盗事件として報道していましたが、実際は強盗に見せかけた半グレ側の報復だった。犯人二人は、ゴム製のハンマーでXの顔面を中心にボコボコにした後、一度立ち去ろうとしたが、『財布を取り忘れた』とすぐに現場に戻ってきてもいる。しばらくして、二人は警視庁に捕まった」(同)

 Xは顔面を包帯でぐるぐる巻きにした状態で、1カ月以上も入院生活を強いられたという。そんな恐ろしい思いをしながらも、カネへの執着を捨てきれず、事業を拡大し続けたようだ。彼にオーナーたちの悲鳴は届いているのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月19日掲載

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