高級車専門カーシェア会社が破綻で600人がローン地獄 顧客が語る“詐欺的ビジネス”の全容
高級車専門カーシェア会社「Sグループ」の破綻が、ネット上で話題を集めている。多額のローンを抱える被害にあったオーナーは600人以上。そのほとんどが20~30代の若者だという。彼らの怒りの矛先は、Sグループの代表・Xへと向けられている。男は4年前、半グレ集団とトラブルになり、新橋でハンマーを持った二人組の男に襲撃されたこともある、いわくつきの人物であった。Xが手がけた“詐欺的ビジネス”の全容とは――。
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ベンツ、BMW、レクサス、ポルシェ……。埼玉県某所の広大な駐車場には、名だたる高級車がすし詰め状態で停められていた。
その数、200台はゆうに超える。
車は所有者のステータスを示すとも言われる。だが、この車のオーナーたちは、羨望の対象とは対極の、追い詰められた状況にある。
「自分の車が、いまどこにあるのかわかっていません。わかればいますぐにでも探しに行きたいのですが……」
こう語るのは、Sグループを通して、トヨタの高級ミニバン「アルファード・エグゼクティブラウンジ」を800万円で購入した平野祐一さん(仮名・33)だ。サラリーマンである平野さんの年収は、500万円ほど。本来、こんな高級車を購入する余裕はないはずだ。
だが、彼は有益な投資ビジネスとXらから勧誘され、7年ローンで車を購入してしまったのだ。
「オーナーになると一時金として50万円をもらえると言われ、飛びついてしまいました。費用は一切かからない。車をカーシェアとしてユーザーに貸し出し、利益が出たらさらに還元する、という話でした」(同)
甘い話に乗ってしまった平野さんは、いま後悔のどん底で苦しんでいる。10月8日に、Sグループは事業停止。多額のローンの残債を抱えることになってしまったのだ。
不動産業でも「オーバーローン」商法を手がけていた
きっかけは3年前、Sグループの代表で“会長”と呼ばれていたXとの出会いだった。
「当時、私は500万円の多重債務に苦しんでいました。そんな時、不動産購入でオーバーローンを組めば、借金が棒引きできるウラ技があることを知ったのです。そして、知人の紹介で仲介業者として現れたのが、Xでした」(同)
こんな魔法のような手法が、本当にあるのだろうか。
「売主と組んで、不動産価値を高く偽装するのです。その差額分のなかに、当初あった500万円の借金や、Xが中抜きする分が含まれている。Xに言われるままに、私は神奈川県の一戸建ての新築物件を購入する手続きを進めました。そして、審査が通ったのです。いまは、その物件を人に貸し、入ってくる家賃収入をローン返済に充てています」(同)
もちろん、不動産購入の目的以外でオーバーローンを組むことは、違法性のある行為である。Xはカーシェア業以外にも、このようないかがわしいビジネスに手を染めていたのである。
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