「藤浪晋太郎」は中継ぎで復調、「斎藤佑樹」は2軍で1回持たず 甲子園スターの明暗
懲罰で2軍落ち、コロナ感染、制球難でも中継ぎ転身で復活の藤浪晋太郎
新型コロナ感染や遅刻で2軍落ち、制球難と不振を極めていた阪神の藤浪晋太郎。中継ぎへの配置転換が奏功し、直近5試合はすべて無失点に抑えている。一方、日ハムの斎藤佑樹は先日の2軍の試合での登板で1回持たずにKOされた。甲子園スターの明暗がくっきりと分かれている。
今年の夏は国民的行事のひとつであります全国高校野球選手権、通称「甲子園」が新型コロナの影響で中止になり、高校球児のみならず観戦を楽しみにしていた皆様も肩を落とされたことでしょう。私ももちろん残念でなりませんでした。
その甲子園で華々しい活躍をし、鳴り物入りでプロ野球界に飛び込んだ選手は数多おります。
入団後も活躍しその名を球史に刻んだ選手、怪我に苦しみ志半ばでユニフォームを脱いだ選手、周りの大人の変な甲子園信仰に踊らされて結果を出せずに引退を余儀なくされた選手などなど。それぞれが様々な人生を歩まれたことを我々野球ファンはただ外野から見つめているだけでありました。
そして今シーズンも終盤を迎え、かつての甲子園スターの去就に注目が集まっております。
まずは大阪桐蔭出身藤浪晋太郎投手。
2013年のルーキーイヤーから3年連続二桁勝利という怪物っぷりを見せつけ、200勝確実と思われていたのですが、4年目のシーズンに7勝11敗と初めて負け越すとその後調子が上がらず、翌年から3勝・5勝・0勝と不振を極めることに。
強い決意と意気込みで臨むはずだった今シーズン、練習遅刻懲罰二軍送りとまさかの新型コロナ感染……。
しかも感染経路が良くなかったですね、会食とは聞こえよく実際はタニマチ宅での大規模合コンだったわけですから。
しかし不謹慎を承知で言えば、そういった出来事も大々的にニュースになるのはまだまだスターであるという証とも思われます。
もっとも、阪神タイガースに関しましてはその後も大量の感染者を出し、監督までも内規の上限を上回る形での会食を催してしまっているので、これは藤浪投手どうこうではなく球団の体質にも少々問題があるのでは? と思われても仕方がない部分もありますよね。
まあ、決起集会的な食事会というのはチームプレーを基本とする野球に於いてとても大切なことだと思うのですが、時が時ですので(私見としてはコロナに対してナーバスになり過ぎではとも思うのですが)。
戻りまして、今シーズンの藤浪投手。
先発投手としてマウンドに上がった際は制球難に苦しみ「今年もまたダメか」などとファンのため息を誘ったのですが、矢野監督はじめ首脳陣が中継ぎへの配置転換を決断し、いざマウンドに上がりましたら快刀乱麻の活躍とは言わないまでもかつての輝き(26歳の若者にこんな表現は用いたくないのですが)を取り戻す一歩手前くらいまでの結果を出し始めております。
直近の5試合でもすべて無失点。
このまま中継ぎやセットアッパーもしくは抑えになっていったら他球団にとって脅威であることは間違いありません。
短いイニングでの登板ゆえ全力で投球するので155キロ以上は当たり前160キロ以上の球速を記録することもしばしばありますのでファンとしても期待が膨らみますね。
かつてライバルとされた大谷翔平投手の日本人最速記録である165キロをぜひ超えて欲しいものです。
個人的には、人間臭さのある藤浪投手の方が好きですし、ロマンを感じております。
そして藤浪投手のように先発から後ろにまわって活躍した投手もたくさんいらっしゃいます。
古くは江夏豊投手・津田恒実投手・大野豊投手(大野さんはその後先発にも)・伊藤智仁投手・豊田清投手、そしてなんといっても阪神の先輩である藤川球児投手などがあげられます。
今後どのような役割を与えられるかはわかりませんが、再び咲き始めたその花を満開にして欲しいですよね。
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