日本びいきのウズベキスタン美女・オルさんが絶賛 「日本的センス」のイタリアンとは

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第60回は、ババホジャエヴァ・オルズグルさん。今回は「オンダ トウキョウ」に伺いました!!

 中央アジアで女性に対する最高の誉め言葉のひとつは「君はアーモンドのような目をしている」らしい。ウズベキスタンからやってきたオルさんこと、ババホジャエヴァ・オルズグルさんはまさにそのような瞳の持ち主。さまざまなテレビ番組に出演するかたわら、『地球の歩き方』など、ウズベキスタンについてのガイドブック編集にも参加している。母国における日本の印象を尋ねると、

「とてもいいイメージがあります。首都タシケントの中心部にナヴォイ劇場という有名なオペラホールがありますが、これは第2次世界大戦後、中央アジアに連れてこられた日本兵が建設に参加してできた建物です。1966年の大地震で、タシケント市内は大被害を受けたのに、劇場は煉瓦ひとつ落ちてこなかったので、日本人は勤勉でちゃんと仕事をする民族だという評判が、今も残っています」

 日本生活が14年目となったオルさんも大の日本贔屓。着物が好きで、折り紙、生け花など日本に関するものにはなんでも心惹かれる。四季を楽しむことも兼ねて、全国の温泉に行くのも好きで、「温泉ソムリエ」の資格も取得した。ただ、今回紹介してくれたのは、春に桜が咲き誇る目黒川沿いにあるが、和食ではなく、イタリアンの「オンダ トウキョウ」だった。料理長の中村圭佑さんの洗練されたセンスが光るリストランテだ。

「イタリア料理のお店ですが、旬の食材を使った独創的なお料理を、それに合った食器に盛り付けて、総合的に楽しむという点では、日本的な感覚に溢れているのではないでしょうか」

 と、再び、日本のことを褒めてくれるので、少々こそばゆい気がしてくる。

 今日のお料理は、中村さんの出身地、静岡県の食材を生かした前菜に、雲丹と生青海苔のクリームパスタ、イクラをのせたリゾット、自家製のパーネなど。ランチではあったが、白ワインを軽く味わう流れとなった。というのも、オルさん、ワイン輸入業を経て、最近、念願のワインバー開業を果たした。「隠れ家」のような彼女のお店には、カリフォルニアやハンガリー、イタリア産など選りすぐりのものを用意しているという。この一杯も、今晩、お客さんにどのようなお酒を薦めるべきかの研究……のためのようである。

週刊新潮 2020年10月15日号掲載

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