災害などで“車中泊”を余儀なくされたら、絶対気を付けねばならないことは?
この数年、“車中泊”という言葉をよく耳にしないだろうか。2016年の熊本地震では多くの被災者、そして新型コロナ感染者の治療を行う医療従事者も家族への感染防止のため車中泊を余儀なくされた。もっとも、安易な気持ちで車中泊をすると思わぬ事態に陥ることがある。「車中泊愛好家」に絶対やってはいけないこと、やるべきことについて聞いてみた。
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最近は地震などの災害が多いため、車中泊をする人が多くなったと言われる。車中泊愛好家の武内隆氏は、50代から車中泊の旅を実践し、これまで車中泊した日数は2500日以上、走行距離は約25万キロに及ぶ。10月17日には『車中泊入門』(ヤマケイ新書)を出版する予定だ。その武内氏が言う。
「大きな地震が起きて、避難所に行ったら新型コロナに感染するリスクがあります。それに比べ、車中泊は避難場所として際立って安全と言えます。避難所と違ってプライバシーが保たれます。電気も使え音響機器などもあるので、居住性もある。必要ならば移動もできますしね」
車は地震に強く、自宅に居るより安全だという。
「直下型地震による地割れでもないかぎり、車は地震に強く、安全といえます。熊本地震では多くの被災者が車中泊を体験しました。地震が発生したのが4月だったので、車中泊もしやすかったのでしょう。ただ、車中泊をする際の気をつけるべきポイントを知っていたかどうかで、明暗が分かれてしまいました。命まで落とされてしまった方がおられたのは残念と言うしかありません」
4人乗車の車なら、車中泊は2人まで
例えば、熊本地震で大きな被害を受けた益城町では、推定1万250人の人が車中泊をしたという。とはいえ、エコノミークラス症候群の重症患者が相次ぎ、死者も出た。熊本市では79人の震災関連死のうち、20人が車中泊の体験者だった。
「4、5人の乗車定員の車に、4、5人が車中泊すると、エコノミークラス症候群になるケースが圧倒的に多いんです。座席に座ったまま寝れば、血行が悪くなるのは避けられません。これは絶対にやめて欲しい。4人乗車の車なら、車中泊は2人までにした方が良いでしょう」
車中泊をする時、やるべきことは?
「車中泊する上で最も大事なのは、座席を倒してフラットな面を作ることですね。タオルや衣類を使って凹凸をなくします。キャンプ用のエアマットがあれば、通常のベッドと変わらない寝心地になります。足は、心臓よりも低くならないようにしてください。水平か、少し高めでも大丈夫です。身長、肩幅にそれぞれプラス10センチの広さがあれば、快適に過ごせます」
さらに、外部から車内が見えないように、窓はカーテンなどで覆った方が良いという。
「冬は防寒のために、フリース布で窓を覆うことをお勧めします。フリース布で車内を覆うと、エンジンをかけて暖房しなくても、暖かくて快適です。ただし、夏は暑くて、車中泊は大変です。小型扇風機で多少しのぐことができますが、寝苦しいですね。一番いいのは、涼しい高地に移動するのがベストですが、それができなければ、時々エンジンを始動して冷房をかける必要があるでしょう」
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