「文大統領スルー」の北朝鮮が想定する 「バイデン当選」という悪夢
仲介者を買って出た「文大統領」は困惑しきり
北朝鮮は、10日午前0時から3時まで金日成(キム・イルソン)広場で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員会委員長が見守る中、労働党創建75周年行事を行った。
北朝鮮が未明に閲兵式を行ったのは、行事を「特別に」準備せよと言った金正恩委員長の指示によるものだった。
このため、花火や発光ダイオード(LED)、無人機(ドローン)を使って、特別に深夜に見どころのある、祭り形式の閲兵式を計画されたのだろう。
そして、3時間近く行われた閲兵式の後半には、米本土を攻撃できる能力を備えたと推定される新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)など新しい戦略兵器などが大挙公開された。
また、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星4A」と超大型放射砲、大口径操縦放射砲、「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる「KN23」などの戦術・戦略兵器をも一緒に披露した。
これに対して韓国の大統領府は11日午前、国家安全保障会議(NSC)緊急常任委員会議を開き、前日の北朝鮮労働党創建75周年閲兵式について議論した。
常任委員らは、北朝鮮の金正恩国務委員長の演説メッセージと、北朝鮮が閲兵式で公開した新型ICBMと潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などに対する分析を行っている。
今年9月、北は韓国の公務員を射殺し、遺体を焼却するという暴挙に出た。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこれまでそれを過度に問題視せず、「終戦宣言」に何回も言及していた。
だから、金委員長の今回の武力誇示には困惑しているようだ。
韓国は韓半島の平和に向けた対話に重点を置いているのに、北朝鮮は新しい兵器を大挙誇示するなど、韓国とは全く対極の態度を見せているからだ。
しかし、閲兵式での金委員長の発言は、武力デモとは異なる内容になっていて注目を浴びている。
「愛する」という表現まで使って融和的な態度を見せたのは異例中の異例
金委員長はまず、コロナウイルス感染者が北朝鮮にいないことを強調し感謝の意を示した。
そして「愛する南の同胞たちが新型コロナウイルスを克服し、手を取り合うことを願う」と言及し、この間の「西海公務員殺害事件」にもかかわらず、南北対話再開の意志を明らかにしたものと解釈される。
すなわち、早く新型コロナウイルスを克服し、南北が再び仲良くなろうということだが、「愛する」という表現まで使って融和的な態度を見せたのは異例中の異例なのだ。
これはつい最近まで青瓦台を狙って「低能」「愚かだ」と非難していたのとは180度変わった態度である。
金委員長の今回の発言を巡り、専門家らは様々な見方を示している。現在、北朝鮮では新型コロナウイルス防疫と関連し、国境地域の周辺や国境を行き来する者は「誰でも射殺せよ」という命令が下されている状況だ。
それだけ感染については敏感に対処している。にもかかわらず、今回の金委員長の発言には、まだ南北間の交通は難しくても、少しずつ関係を改善していこうという意志が込められている。
この発言に対して、国会外交統一委員長の宋永吉(ソン・ヨンギル)共に民主党議員は11日、「金正恩委員長の発言を肯定的に評価する」とし、韓半島非核化に向けた終戦宣言の必要性を再度強調した。
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