斎藤洋介さんを偲ぶ 「お笑い」と「酒」をこよなく愛した“名バイブレイヤー”の素顔
料理も上手
9月19日、俳優の斎藤洋介さんが亡くなった。1951(昭和26)年生まれの69歳。7月に喉頭がんが見つかり、放射線治療を始めた直後の悲報だった。死の直前まで仕事の打ち合わせを行い、自宅で夕食も摂っていたという。
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同い年の俳優を調べてみると、岩城滉一(69)や桃井かおり(69)となる。
三宅裕司(69)は同い年というだけでなく、大学も同じ明治大学だった。互いに早くから面識はあったようだ。真偽は不明だが、2人が落語研究会で出遭ったという説もある。
卒業後の1979年、2人は共に「劇団スーパーエキセントリックシアター」を立ち上げた。劇団名は斎藤さんが考案したという。
斎藤さんと言えば、大ヒットしたテレビドラマ「人間・失格~たとえばぼくが死んだら」(TBS系列:1994年)や「家なき子」(日本テレビ系列:1994・95年)での底意地の悪い演技をご記憶の方も多いだろう。
だが、俳優としてのキャリアの原点が「スーパーエキセントリックシアター」だったことからも分かる通り、ご本人は笑いにも強い関心を持っていた。
演技力だけでなく、笑いに対するセンスに注目が集まったのが、「SMAP×SMAP」(フジテレビ系列:1996~2016年)だった。
“硬骨漢”の素顔も
この人気バラエティ番組で“準レギュラー”と呼ばれたほど多くのコントに出演。あくまでも脇役のポジションを守りながら、視聴者を爆笑させる数々の名場面を作りあげた。
斎藤さんの素顔を知る、民放キー局の番組制作スタッフが振り返る。
「私にとって“本物の脇役”と言えば、斎藤さんを筆頭に、小野武彦さん(78)、嶋田久作さん(65)、そして松重豊さん(57)というお名前が浮かびます。
その中でも斎藤さんは、お笑いもシリアスな演技も何でもこいでした。本当に幅広い演技力をお持ちだったと思います。
素顔は、とにかく真面目な方でした。訃報を聞いて、非常に切ない気持ちになりました」
このスタッフ氏、斎藤さんの意外に“硬骨”な素顔を垣間見たことが、強い印象として残っているという。
「あるバラエティ番組で、口紅を自分たちで作ってみるというコーナーに出演してもらいました。
ところが現場で、スタッフが台本に書かれていないシーンを追加しようとすると、斎藤さんの態度が変わってしまったのです」
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