ネルソン・バビンコイが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第59回は、ネルソン・バビンコイさん。今回は「熊本バル うせがたん」に伺いました!!

 昨年のレコード大賞受賞曲「パプリカ」。メディアで盛んに流れたため、意識せずとも口ずさめてしまう向きも多いはず。この大ヒット曲の英語バージョンが、NHK「みんなのうた」で放送されていたのをご存じだろうか。米津玄師による原曲のメロディを崩すことなく、原詩の意味に忠実に翻訳してみせたのが、アメリカはカリフォルニア州、ハリウッドのお膝元バーバンク出身のネルソン・バビンコイさんである。

「“桜が散る”と言っただけで、出会いと別れを表現することができる日本語の奥深さにまず魅了されました。日本で毎年“桜”にまつわる歌が出るわけも、そこにあるのでしょうね」

 15歳のときに日本へ短期留学したのを皮切りに、カリフォルニア大学バークレー校時代は慶應義塾大学に留学するなど、大の日本贔屓。ライブハウスや路上で音楽活動をしており、自身で英訳した日本の歌のレパートリーは100曲ほど。美空ひばりからあいみょんまで、ジャンルも幅広い。

 そんなネルソンさんの行きつけは、渋谷区神泉の熊本バル「うせがたん」。音楽以外でのはじめてのテレビ出演が熊本のレポートだったこともあり、かの地とは浅からぬ縁があるそう。

 お気に入りは、熊本郷土料理の定番「辛子れんこん」や、穴にポテトサラダがつまった「ちくわサラダ天」など。パーッとやりたいときは、「あか牛のたたき」、「馬刺し5点盛り」といった肉料理も欠かせない。お酒はどうするか問うと、

「日本酒飲んでもいいですか?」

 もちろん! ということでオーダーしたのは熊本産の銘酒「美少年」。お猪口についでクイッとあおり、“クァ~”と実にいい顔をします。

「おいしいときに言葉は要らないね。顔に出ますから!」

 おいしい料理とお酒、そして居心地のいい店とくれば、ミュージシャンたるもの、思わず尾崎豊を弾き語ってしまうのもナットクです。

週刊新潮 2020年10月8日号掲載

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